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中学入試に役立つ学習法:社会編その8

2023-03-21

カテゴリー:中学入試に役立つ学習法:社会編,

 前回は大化の改新4つの柱が制定されたというところで終わりました。さて、今日は・・・・・
 
シュサイ:「前回は化の改新4つの方針が決められたところまで話したんだったね。4つの方針というのは、
 
公地公民制
班田収授法
国郡制度
租庸調
 
だったね。さて、この改新の詔(かいしんのみことのり >>詳しくはこちら)は唐の政治制度を参考に作られたものなんだが、実現されるまでに数十年かかったと考えられているんだ。つまり、645年大化の改新(>>詳しくはこちら)の後、663年白村江の戦い(はくそんこうのたたかい、はくすきのえのたたかい >>詳しくはこちら)で唐と新羅の連合軍にボロ負けして、672年壬申の乱(じんしんのらん >>詳しくはこちら)が起こって、694年に飛鳥(>>詳しくはこちら)から藤原京(>>詳しくはこちら)へ遷都する。そして701年大宝律令(>>詳しくはこちら)が定められて、この頃にやっと本格的に政治制度が整備されたかな、というところで710年には平城京(>>詳しくはこちら)へ遷都する。(>>こちら参照)もともと古代は現代と違って時間の流れがゆっくりだし、まして新しい都を作ってお引越しをする遷都なんて何年もかかる大事業だから、民衆はいつも振り回されている感じだったんじゃないかな。」
 
B君:「そうかあ。確かに今よりものんびりしていた時代だもんなあ。」
 
シュサイ:「いずれにしろ、日本が律令国家となるには、大宝律令の制定までかかったわけさ。さて、国にとって一番大事なのは税の徴収なわけだ。だから、そこに注目して日本の歴史を振り返ってみることにしよう。」
 
C君:「やっぱりお金は大事だなあ。」
 
シュサイ:「とお金つまり貨幣は違うんだけどなあ。まあ、お金が好きなC君のために、ちょっと横道にそれるけど、貨幣の話(>>詳しくはこちら)でもするか。富本銭(ふほんせん >>詳しくはこちら)や和同開珎(わどうかいちん、わどうかいほう >>詳しくはこちら)は存在していたけれど、国が作る貨幣にとって最も必要なのは、その価値に対する民衆の信頼なんだ。実際、飛鳥時代和同開珎から始まって平安時代中期までに12種類の貨幣(>>詳しくはこちら)が作られたんだけれど、信用が無くなって使われなくなってしまった実際に日本の貨幣制度が統一されたのは江戸時代だったから、日本では銅銭は600年間作られなかったことになる。」
 
C君:「えっ、お金が無かったの!」
 
シュサイ:「そういってもいいね。お金には4つの必要条件がある。
 
価値が認められること価値尺度
交換できること交換手段
支払いができること支払手段
価値が保存できること蓄蔵手段
 
の4つだ。ところが安定した通貨というのはなかなか無いんだ。価値尺度について、君たちにわかりやすい例を挙げると、第二次世界大戦後しばらくして決められた円の価値は、1ドル=360円(>>詳しくはこちら)だった。ところが今は1ドル=130円ぐらいだから、ドルから観た円の価値が約3倍になったことになる。つまり、昔のアメリカで360円だったものが、今なら130円で買えることになる。もっとも約70年経っているから、インフレを考えると一概には言えないけどね。現在の通貨は、国の信用が元になった管理通貨制度の下で発効されているけど・・・・・もしも赤字国債を乱発したり、偽札が大量に出回ったりしたらどうなる?」
 
B君:「ええと・・・・・お金の価値が下がって、今までの金額じゃ買えなくなります。」
 
シュサイ:「そうだね。このように、②〜④の機能が保障されている現代通貨であっても、①の価値尺度は変化しやすいわけだ。お金の価値というのは、国家に力があって初めて信用されるものなんだ。ところが、昔はコロコロと政治体制が変わるから、だれも政府の言うことを信用しないわけ。だから、お金よりも米のほうが信用されたんだ。したがって、税という漢字はのぎへんを書くわけ。」
 
C君:「だから僕は最近、お金よりも食べ物のほうに惹かれるのか!」
 
B君:「それは単にお前が卑しいだけだろ!」
 
シュサイ:「・・・・・またか。さて、米を作るのに必要なのは土地だよね。だから、土地をどのように分配するかが大きな問題だったわけだ。したがって土地の所有の仕方は、飛鳥時代公地公民制班田収授法(>>詳しくはこちら)⇒奈良時代三世一身法(さんぜいっしんのほう >>詳しくはこちら)を経て、墾田永年私財法(こんでんえいねんしざいほう >>詳しくはこちら)⇒荘園(しょうえん >>詳しくはこちら)の発生、鎌倉時代御恩と奉公の関係太閤検地(>>詳しくはこちら)による荘園制度の完全な崩壊明治時代地租改正(ちそかいせい >>詳しくはこちら)へと進化していった。というわけで、国家を運営するための税金をどうやって徴収するかという工夫は、今も昔も変わらないってことだね。じゃあ、今日はここまでにしようか。」

中学入試に役立つ学習法:社会編その7

2023-02-28

カテゴリー:中学入試に役立つ学習法:社会編,

 さて、前回から古代の話に入りました。古代は、日本史上では古墳時代・飛鳥時代・奈良時代・平安時代の4つに分けることができます。時代の分け方にはいろいろありますが、古墳時代 (>>詳しくはこちら)と飛鳥時代(>>詳しくはこちら)は(朝廷のあった場所)の位置で分けられています。そしてそれ以降は、都の位置によって、奈良時代平安時代・・・・・と呼ばれることになります。
 
シュサイ:「前回は、古代の黎明期(れいめいき)である古墳時代の話をしたけれど、今日は飛鳥時代の話に入ろう。さて、古墳時代には、大和朝廷の豪族たちが争いばかりしていたから、大王(おおきみ)は氏姓制度を定めて、政権を安定しようとしたんだったね。大和朝廷の豪族たちは、すぐれた技術やを求めて、最初は朝鮮半島加羅(から、伽耶:かや >>詳しくはこちら任那:みまな・にんな・イムナ >>詳しくはこちら)と、しばらくしてからは百済(くだら・ひゃくさい・ペクチェ >>詳しくはこちら)と結びつきを強めていた。要するに、自分たちの勢力を強くするには、渡来人からもたらされる大陸文化が不可欠だったからだね。ところが、この渡来人たちを多く従えていた蘇我氏(そがし)がライバルの物部氏(もののべし)を倒して、大王を凌ぐほどの力を持った。そしてその頃は、朝鮮半島では加羅新羅(しらぎ・しんら・シルラ >>詳しくはこちら)に滅ぼされ、中国でも(ずい)が国内をまとめて、朝鮮半島に進出しようとしていた時代だったんだ。つまり、国内・国外とも不穏な時代だったわけだ。」
 
A子:「う〜〜ん。わかるような、わからないような。」
 
シュサイ:「たしかに、あまり馴染みの無い国名がたくさん出てくるからピンとこないだろうけど。でも、これを何とかしようと、日本のスターが登場する。聖徳太子(>>詳しくはこちら)だ。」
 
C君:「おお、昔の一万円札!」
 
B君:「また金かよ・・・・・。」
 
シュサイ:「豪族たちをまとめるために必要だったのは、はじめは権力権威だったよね。でも、権力や権威は弱まるとおしまいだから、聖徳太子は別の基準で国を治めようとしたわけだ。さて何でしょう。」
 
B君:「憲法十七条です。」
 
シュサイ:「そうだね。権力や権威ではなく、法で国を治めようとしたわけだ。そして、その中でも書かれているように、仏教の教えも新たな規範としようと考え、四天王寺(>>詳しくはこちら)や法隆寺(>>詳しくはこちら)を建立(こんりゅう)したわけだ。また、中国を統一した隋(ずい)の制度や文化を取り入れて政治の仕組みを整えるために、小野妹子(おののいもこ)を遣隋使(けんずいし)として派遣し、冠位十二階(>>詳しくはこちら)を制定した。このように古墳時代〜飛鳥時代には、古墳やため池などをつくる土木技術土師器(はじき >>詳しくはこちら)から須恵器(すえき >>詳しくはこちら)へとよりすぐれた器をつくる技術、製鉄の技術、養蚕と機織の技術そして漢字・仏教・儒教などの文化が渡来人から日本にもたらされたわけだ。」
 
A子:「へ〜〜、たくさん教えてもらったんだ。」
 
シュサイ:「ところが、聖徳太子が死んだ後、蘇我氏の勢力が強まり、天皇をしのぐほどになった。そして、中大兄皇子(なかのおおえのおうじ >>詳しくはこちら)と中臣鎌足(なかとみのかまたり >>詳しくはこちら)が蘇我蝦夷(そがのえみし >>詳しくはこちら)・蘇我入鹿(そがのいるか >>詳しくはこちら)の親子を滅ぼして、政治の実権を握った。これが大化の改新(>>詳しくはこちら)だね。ちなみに、このときに初めて大化という元号が定められたので、大化の改新というんだよ。」
 
C君:「そうなんだ!」
 
シュサイ:「そう。このときに決めたのが、①公地公民制(こうちこうみんせい >>詳しくはこちら)、②班田収授法(はんでんしゅうじゅのほう >>詳しくはこちら)、③国郡制度(こくぐんせいど)、④租庸調(そようちょう >>詳しくはこちら)、の4つの柱だ。さて、今日は時間がきたから、続きは次回にしよう。」

中学入試に役立つ学習法:社会編その6

2023-02-07

カテゴリー:中学入試に役立つ学習法:社会編,

 原始時代の話がやっと一息ついたので、今日から古代についての話を始めます。最初は古墳時代についてです。
 
シュサイ:「前回までで原始時代の話が終わったので、今日から古墳時代の話に入るよ。日本では3世紀後半〜7世紀まで古墳時代(>>詳しくはこちら)と呼ぶわけだが・・・・・弥生時代に稲作が発達して貧富の差がついたのはわかったよね。」
 
一同:「は〜〜い。」
 
シュサイ:「人間の欲というものは際限が無いものでね、衣食住が普通にできるようになり、金銭的にも恵まれるようになると、今度は偉くなって周りの人を従えて、自分の言うとおりにさせようと思うんだよ。」
 
C君:「お金で解決できないこともあるのか。」
 
A子:「当たり前でしょ。どんなにあんたがお金を持っていても、私はあんたの言うことなんてきかないもん。」
 
C君:「ひどいなあ。世の中お金で解決できることは多いんだぞ。」
 
B君:「お前、今いつの時代の話をしてると思ってるんだよ。」
 
C君:「あ、そうか。」
 
シュサイ:「あのね・・・・・今の君たちみたいに、当時の豪族たちは争いばかりしていたわけ。そこで、必要になるのは政治の仕組みなわけ。だから、ヤマト政権(大和朝廷:やまとちょうてい)が生まれた。当時の豪族は血縁関係でつながっていて、(うじ >>詳しくはこちら)と呼ばれていた。これが、蘇我(そが)氏(>>詳しくはこちら)とか物部(もののべ)氏(>>詳しくはこちら)という集団になるわけだ。そして、その家柄に応じて臣(おみ)とか連(むらじ)などの姓(かばね)を与えて、政治に参加させたわけ。(かばね >>詳しくはこちら)というのは役職みたいなもんだね。これを氏姓制度(しせいせいど >>詳しくはこちら)と言うのさ。」
 
C君:「なるほど、じゃあ僕は(おみ >>詳しくはこちら)だな。」
 
B君:「ふざけんな、何でお前がなんだよ。お前は奴婢(ぬひ >>詳しくはこちら)だろう。」
 
A子:「そうよ。そうよ。」
 
C君:「ヌヒ?って何。」
 
B君:「お前、もっと勉強しろよ。」
 
シュサイ:「まあ、氏姓制度が完成するのは、大化の改新(>>詳しくはこちら)以降で戸籍制(>>詳しくはこちら)ができた後だから・・・・・・かなり先だけどね。で、話を元に戻すけど・・・・・豪族たちをまとめるのに必要なのは何だと思う?
 
B君:「権力ですか?」
 
シュサイ:「うん、そうだね。あともうひとつ必要だね。」
 
C君:「お金!」
 
B君:「いいかげん、そこから離れろよ。もうひとつ必要だっていうんだから、必要なのは権威だ、権威!」
 
シュサイ:「正解。権力権威大きさを示すもの古墳(>>詳しくはこちら)だったわけだ。自分の死後も子孫や他の豪族たちに影響力を及ぼすためには、その象徴としての大きな墓が必要だったんだろうね。日本の古墳しかり、エジプトのピラミッド(>>詳しくはこちら)しかり、大きな建造物とか立派な建造物とかが反乱を抑えるための権威づけに必要だったのかもしれないね。さて、じゃあ続きはまた今度にしようか。」

中学入試に役立つ学習法:社会編その5

2023-01-17

カテゴリー:中学入試に役立つ学習法:社会編,

 前回は世界四大文明についての話でした。今回は日本歴史に戻って原始時代の話の続きです。
 
シュサイ:「前回は世界四大文明について話をしたんだったね。さて、日本歴史の時代区分として一番一般的なのが、旧石器時代縄文時代弥生時代原始時代とする分け方だけど、縄文時代弥生時代(>>詳しくはこちら)の大きな違いは何だったっけ?」
 
B君:「稲作の発達です。」
 
シュサイ:「そうだね。縄文時代旧石器時代に比べて暖かくなったけれど、狩猟生活が主だったため、食物の保存がきかなかった。ところが稲作が普及したことで、食物の保存がきくようになった。湿気やネズミから米を守るため高床式倉庫(たかゆかしきそうこ >>詳しくはこちら)が作られたのはよく知られるところだね。ところが、蓄財ができるということは必ずしも良いことばかりじゃないんだ。なぜなら貧富の差と身分の差が広がることで、戦争が起きるからね。ちょうど稲作の伝来と同時期に金属器も伝えられたことが、これに拍車をかけることになったわけだ。」
 
A子:「なるほどね。」
 
シュサイ:「稲作っていうのはとても大変な共同作業だし、天候の影響も大きいから、占い師などが力を持つようになり、銅鐸(どうたく >>詳しくはこちら )や銅鏡>>詳しくはこちら)などの祭器が生まれたわけだ。そして村同士の争いの果てに国が生まれた。これらの村には、外敵が侵入しないように濠(ほり)がめぐらされていたため、環濠集落(かんごうしゅうらく >>詳しくはこちら )と呼ぶわけだね。そして、邪馬台国>>詳しくはこちら)がこの時代の国の代表例なわけだ。 」
 
C君:「卑弥呼>>詳しくはこちら)かあ。ときどき漢字をバツにされるんだよね。」
 
B君:「それはお前の字が汚いからだろう。オレも人のこと言えないけど。」
 
シュサイ:「三人とも字が汚いからなあ。」
 
一同:「・・・・・。」
 
シュサイ:「とにかく、旧石器時代の遺跡岩宿遺跡(いわじゅくいせき >>詳しくはこちら)、縄文時代の遺跡としては大森貝塚(おおもりかいづか >>詳しくはこちら)と三内丸山遺跡(さんないまるやまいせき >>詳しくはこちら)、弥生時代の遺跡としては吉野ヶ里遺跡(よしのがりいせき >>詳しくはこちら)と板付遺跡(いたづけいせき >>詳しくはこちら)と登呂遺跡(とろいせき >>詳しくはこちら)を覚えておけば大丈夫だろう。人名としては、岩宿遺跡を発見した相沢忠洋(あいざわただひろ >>詳しくはこちら)とエドワード・モース卑弥呼ぐらいしか出てこないんだから、きちんと漢字で書けるようにしておくこと。もちろん、遺跡が何県にあるかもきちんと覚えるんだよ。」
 
一同:「は〜〜い。」
 
シュサイ:「じゃあ、原始時代の遺跡(中学入試に出題される最大限の項目)を表にまとめておいたから、ちゃんと覚えるように野尻湖(のじりこ >>詳しくはこちら)のナウマンゾウ>>詳しくはこちら)やオオツノジカ>>詳しくはこちら)、亀ヶ岡遺跡(かめがおかいせき >>詳しくはこちら)の遮光器土偶>>詳しくはこちら)や鳥浜貝塚(とりはまかいづか >>詳しくはこちら)も有名だからついでに覚えておくといいよ。じゃあ、今日はここまでにしよう。」


中学入試に役立つ学習法:社会編その4

2022-12-20

カテゴリー:中学入試に役立つ学習法:社会編,

 さて、前回は旧石器時代縄文時代について書きましたので、今日はその続きになります。
 
シュサイ:「前回は、旧石器時代縄文時代を分けたのは気候の変化だよって話だったね。そして、モース大森貝塚を発見したエピソードなども話したんだったね。そのときに、人が住むには良い水が必要だという話をしたけど覚えているかい?」
 
一同:「は〜〜い。覚えています。」
 
シュサイ:「よろしい。ところで、世界には四大文明(>>詳しくはこちら)と呼ばれる古代文明があったのを知っているかな。」
 
B君:「はい。エジプト文明メソポタミア文明インダス文明黄河文明です。」
 
シュサイ:「さすがB君、休み時間に、マンガ世界の歴史をせっせと読んでいるだけのことはあるね。そう、これらの文明はすべて川の近くに発生しているんだ。ちなみにメソポタミア(>>詳しくはこちら)っていうのはギリシャ語「川の間の地方」という意味で、チグリス川ユーフラテス川の間に生まれたわけだし、エジプト文明ヘロドトス(>>詳しくはこちら)が「歴史」という著書の中で述べているように、「エジプトはナイルの賜物(たまもの)」なのさ。そしてインダス文明(>>詳しくはこちら)や黄河文明(>>詳しくはこちら)は文字通り、インダス川黄河の中・下流域で発達したわけだ。そして、これらの文明も塩害とかで土地が悪くなったりしたときには衰退しているんだ。」
 
C君:「川なのになんでがあるんだろう?」
 
シュサイ:「死海って知ってるかい?」
 
C君:「マツコ・デラックスですか?」
 
A子:「あんたバカァ? それは司会。」
 
B君:「お前、わざと言ってるだろう。」
 
C君:「バレた?」
 
シュサイ:「あのなあ・・・・・死海(>>詳しくはこちら)っていうのは、アラビア半島にある塩湖(えんこ >>詳しくはこちら)でね、濃度が30%もある食塩水の湖なんだ。海水が3%ぐらいの食塩水であることを考えると、いかに濃いかがわかるだろう。ちなみに人間の赤ちゃんがお母さんのおなかの中にいるときに浸かっている羊水の成分が海水に近いということは良く知られている話だけど・・・・・海水の中のミネラル分、つまり塩分の多くは、土の中の成分が川の水に溶け出したものなんだ。ところが、日本の川外国の川には大きな違いがあるんだけど・・・・・わかるかな?」
 
B君:「たしか・・・・・日本の川のほうが急だったような・・・・・」
 
シュサイ:「正解! 日本の川山から海までの距離が短かいため、流れが急なんだけど、 そのため地中の成分が溶け出す間もなく海に注いでしまうわけだ。だから、日本では飲料水などの水資源の確保と治水のために多くのダムが必要になる。ところが海外の大きな河川は、流域面積も広くて長いから、川の水に土中の塩分が溶け出す。しかも、それが海に注ぐのではなく、湖に注ぐものがあって、その湖が塩湖になっていくんだ。食塩水の水分を蒸発させると濃い食塩水ができるだろう?そうやってできた塩湖の代表例が死海なのさ。」
 
C君:「なるほど。」
 
シュサイ:「そういえば、古代遺跡っていうのは偶然発見されたものがほとんどなんだよ。死海の近くの洞窟から死海文書>>詳しくはこちら)を発見したのは若い羊飼いだったし、ラスコー洞窟>>詳しくはこち)もアルタミラ洞窟>>詳しくはこちら)も子どもが発見したんだ。シュリーマン>>詳しくはこちら)がホメロス>>詳しくはこちら)が「イーリアス」>>詳しくはこちら)に感動してトロイア遺跡を発見したという、「古代への情熱」に書かれている話はウソらしいけど。」
 
B君:「大人はウソつきだからなあ。」
 
シュサイ:「大人には色々な事情があるから、発掘みたいにお金がかかることをするときには、いろいろ問題が起きるみたいだね。いずれにしろ、原始時代を理解するには、社会の知識より理科の知識のほうが必要なんだよ。実際、人間が住む場所を選ぶときには、気候などの自然条件が良い場所に住むから、古代文明の発達した場所は、当時もっとも住みやすい場所だったということなのさ。じゃあ、今日はここまでにしようか。」

中学入試に役立つ学習法:社会編その3

2022-11-22

カテゴリー:中学入試に役立つ学習法:社会編,

シュサイ:「今日は原始時代について考えてみようか。」
 
A子:「だいたい、何でそんな大昔のことを勉強しなきゃいきないのよ。」
 
シュサイ:「見方を少し変えると、原始時代は面白いもんだよ。原始時代っていうのは、人間が生きていくためにどのような工夫をしたかっていうことなんだ。人間が生きていくためには何が必要かな?
 
B君:「食べ物とか着る物とか・・・・・衣食住に関するものです。」
 
シュサイ:「そうだね。まず、旧石器時代今よりもずっと寒かったわけだ。だから、朝鮮半島は九州や四国・中国地方とつながっていて、もちろん北海道もアジア大陸とつながっていたんだ。だから、いわば日本海が湖のような形になっていて、瀬戸内海なんて存在しなかった。日本は完全にアジア大陸の一部だったんだ。」
 
C君:「そうなの?」
 
シュサイ:「そうだよ。だからマンモスの化石などが日本列島の各地で見つかるわけだ。」
 
C君:「なるほど。」
 
シュサイ:「旧石器時代は寒かったから、そのころの人間はマンモスなどの大きな獲物を倒さなければ、食べ物も着る物も得られなかった。そして狩りや少ない木の実の採集などをしながら、洞窟などを転々として、いつも移住しなきゃならなかったわけさ。だから、生き残ることが優先される時代には、模様などの装飾をするヒマなんてないし、土器なんて移住するときに荷物になるから作らないわけ。」
 
B君:「なるほど。ということは、縄文時代旧石器時代より暖かくなったんですね。」
 
シュサイ:「そういうこと。暖かくなって氷河が溶けて、海面が上昇して、日本列島が今のような形になったのが縄文時代なんだ。それだけ気候が暖かくなると、ナウマン象などの大型動物がいなくなって、イノシシシカなどが増えた。そして当然植物も育って、ドングリクリなどの木の実もたくさん採れるようになったわけだ。近くに食べ物があって、暖かくなれば、わざわざ移住生活をしなくても良くなるよね。だから、いい場所を見つけたら、ここに住もうかという話になって、定住生活がはじまる。いい場所っていうのは、まず水が得やすいところじゃないとダメなんだ。だから、竪穴住居湧き水の得やすい台地につくられる。そして皆にとっていい場所だから村(集落)ができる。これが縄文時代のくらしさ。」
 
C君:「ふ〜〜ん。でも、縄文時代って貝を食べていたんだから、海の近くに集落があったんじゃないの?」
 
シュサイ:「日本列島は、国土の多くが山でしょ。そして少なくて狭い平野に皆が暮らしている。山から川が流れてきて、海に注ぐすこし手前の台地が、海の幸にも山の幸にも湧き水にも恵まれるベストポジションなわけ。」
 
B君:「クーラーがもっとも効くベストポジションを嫌がるヤツもいるけどね。」
 
C君:「うるさいなあ。だってクーラーがまともに当たるところは寒いんだぞ。」
 
B君:「真夏にその言葉を聞きたいものだ。」
 
シュサイ:「まあまあ。とにかくそうやって人間はやっと定住生活をできたわけ。でも、まだまだ自然に頼る生活だから、食べ物がよく採れるように、子どもがちゃんと無事に生まれるように、土偶(>>詳しくはこちら)をお守りのために作ったといわれているんだ。縄文時代の縄文というのが、土器(>>詳しくはこちら)につけられた縄目の模様だということは知っているだろう?」
 
一同:「もちろん。」
 
シュサイ:「土器木の実や貝を煮たり、水を汲んだり、採集したものを保管するために作られたわけだけど、やっと模様をつけて、自分のモノだというしるしがつけられるだけの生活の余裕ができたということさ。ちなみに、縄文土器を初めて見つけたのは大森貝塚(>>詳しくはこちら)を発見したモース(>>詳しくはこちら)だよ。」
 
A子:「そうなの?」
 
シュサイ:「そう。彼は東大の生物学の先生で、貝の専門家だったんだ。だから、横浜から東京に向かう列車の窓から貝塚に気がついたのさ。もともと考古学とか陶磁器にも興味を持っていたらしく、大森貝塚から貝殻土器石斧などが見つかったことが、日本の考古学人類学の幕開けだといわれているんだよ。ちなみにダーウィンの進化論を初めて日本に紹介した人なんだって。」
 
一同:「へ〜〜。」
 
シュサイ:「というわけで、時間がきたから今日はここまでにしよう。」
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