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中学入試に役立つ学習法:算数編その8

2023-03-07

カテゴリー:中学入試に役立つ学習法:算数編,

 今日は「分数の計算」に入る前の最後の確認事項として、整数どうしの最小公倍数や最大公約数を見つけるための基本法である、「連除法」について書いてみたいと思います。
 
 ①2つの整数の最大公約数、最小公倍数の見つけ方
 
 たとえば、96と156の最大公約数と最小公倍数を見つけるには、96と156の両方を割ることのできる整数で次々に割っていきます 

 
 
   となり、131以外の約数を持ちません互いに素と呼びます)から、もう割れませんね。
 このとき、96と156を割った数のかけた数、すなわち12が96と156の最大公約数になります。また、最大公約数の1213をかけた数、すなわち1248が96と156の最小公倍数になります。ここまでは、「そんなの、わかっているよ」というところですよね。では、3つの整数ではどうでしょうか。96と144と156の3つの整数の最大公約数と最小公倍数を同じように求めてみましょう。
 
 ②3つの整数の最大公約数、最小公倍数の見つけ方

  

 
 さて、この時点で1213互いに素(1以外に約数を持たない)になりましたから、やはり最大公約数××12です。では最小公倍数は、12×8×12×13=14976なのでしょうか。違いますよね。3つ以上の整数の最小公倍数を求めるときには、さらに割る必要があるんでしたよね。つまり、 

 
  
 まで割って、×××××××13374496と144と156の最小公倍数です。もちろん、最大公約数は2×2×3×2×2=48ではなく、上で求めたように12ですよ。
 
 このように、2つの整数の最大公約数・最小公倍数の連除法3つ以上の整数の最大公約数・最小公倍数の連除法は、すこし違うことに注意しましょう。これを同じようにやってしまって間違える生徒は多いですからね。それでは、続きはまた。

中学入試に役立つ勉強法:算数編その7

2023-02-14

カテゴリー:中学入試に役立つ学習法:算数編,

 今日は約数の個数について書いていきます。前回は「エラトステネスの篩(ふるい)と素数」について書いたわけですが、すべての整数は素数の積で書き表すことができます。そして、整数を素数の積で表すことを「素因数分解」と呼びます。この素因数分解はとても大事な概念であり、昔は小学校で習い、少し前は中1で、今では中3の最初に習います。
 ということは、小学生は分数の通分や約分を「何となく」やっているわけです。ですから小学校では、答えを既約分数(それ以上約分できない分数)で答えなくてもマルなのです。「えっ、そうだったの」と思われる方も多いと思いますが、それが日本の標準的な教育であるということを親が認識しておかないと、子どもとしては理不尽に注意された気になりますから注意してください。ただし分数の約分や通分を学習するのは、小学校では6年生になってからですから・・・・・普通に小学校の進度で勉強していたら中学入試には間に合わないわけで・・・・・だから中学受験的には4年生の2学期には分数の計算をできるようにしてしまうわけです。
 
 というわけで、今日の本題である約数の個数の話に行きましょう。
 
 (3)「約数の個数」について
 
  「48の約数の個数は何個ですか」という問題を解くと、48という整数は
 

   1×48
   2×24
   3×16
   4×12
   6×8
 
 のように表すことができますから、48の約数は、12162448の10個です。このぐらいの大きさの数ならば、このように書いていったほうが間違えませんよね。
 
 じゃあ「3024の約数の個数は何個ですか」という問題を同じように解くと、
 

   1×3024
   2×1512
   3×1008
   4×756
   6×504
   7×432
   8×378
   9×336
    ・
    ・
    ・
 

 もうやめましょう・・・・・時間と行数ばかりかかります。う〜ん、一発で出す方法はないかなあ、となりますね。実はあるんです。
 3024を素因数分解すると、2×2×2×2×3×3×3×7ですから、2を4個3を3個7を1個かけた数ですよね。ですから、3024の約数の個数
 
  (4個+1)×(3個+1)×(1個+1)=5×4×2=40個
 
 このやり方は高校数学では定番なのですが、中学入試でも上位難関校では出題されることがあります。きちんとした理屈は「式の展開」という方法を習ってからでないとわからないのですが、覚えておいて損はない方法です。この方法を48にあてはめて解いてみると、48=2×2×2×2×3ですから、2を4個3を1個かけた数なので、48の約数の個数は、
 
  (4個+1)×(1個+1)=5×2=10個
 
 数え上げなくても約数の個数がわかります。というわけで、難しい話になりましたが、難関中学受験生は覚えておいてください。では、今日はこの辺で。

中学入試に役立つ学習法:算数編その6

2023-01-24

カテゴリー:中学入試に役立つ学習法:算数編,

 今日は素数の見つけ方についてです。素数は「1とその数以外の約数を持たない数」のことですが、ここをきちんと学習しないと算数でも数学でもつまづいてしまいます。ところが学習指導要領の改訂によって、以前は中1で学習していた素因数分解が、今は中3で学習することになってているため、こういった基本的なことを知らない中学生が多数存在します。そういう意味で、お父さんやお母さんが習っていた頃よりもずっとカリキュラムが易しくなっていますので、こうしたことが日本の数学力が落ちている一因ではないかと、私はつねづね思っています。
 
 (2)素数の見つけ方について
 
 素数を小さいほうから並べると
 
 2,3,5,7,11,13,17,19,23,29,31,37,41,43,47・・・・・
 
 と続きます。これらを求めるには、エラトステネスという大昔のギリシャ人が発明した「エラトステネスの篩(ふるい)」を使います。
 たとえば、1〜100までの数に含まれる素数を求めてみましょう。
 まず、1〜100までの数を書き並べます。次に、1〜100の中で1は素数ではありませんから消します
 すると、残った数の中で最初の数は2ですから、2は素数です。次に残っている3〜100の中で2の倍数を消します
 すると、それでも残っているもっとも小さい数は3ですから、3は素数です。さらに残った数から3の倍数を消します
 すると
 
 5、7,10,11,13,17,19,23,25,29,31,35,37,41,43,47,49,53,55,59,61,65,67・・・・・
 
 が残っているはずです。
 ですから、残っている数で最も小さい5は素数です。そして、残っている数から5の倍数を消して残る数のうち最も小さい数は7ですから、7は素数です。このように次から次へと整数を素数の篩(ふるい)にかけていくと、残った数が素数の集合になります。ですから1〜100までの数のうち素数は
 
 2,3,5,7,11,13,17,19,23,29,31,37,41,43,47,53,59,61,67,71,73,79,83,89,97になります。
 
 これらの素数は、計算の基礎になる大事な数ですから、少なくとも50以内の素数は暗記しておきましょう。というわけで、次回は「約数の個数」について書いていきます。では、また。


※参考画像


 
※参考HP

中学入試に役立つ学習法:算数編その5

2023-01-03

カテゴリー:中学入試に役立つ学習法:算数編,

 今日は「計算」についての続きです。今回は分数の計算についてですが、分数は慣れると一番「楽ができる」計算法ですから、計算のコツについて詳しく書いていきたいと思います。
 
 ③「分数の計算」を間違えたときの注意点
 
  分数の計算を間違える理由にはいろいろありますが、主な理由は「約分と通分」がヘタなため、つまり約数と倍数」がすぐに見分けられないことに原因がある場合が多々見られます。そこで、「約数と倍数」の話に寄り道したいと思います。
 
 (1)倍数の見つけ方について
 
 2の倍数系列
  2の倍数・・・・・下1ケタ0,2,4,6,8など2の倍数になっている(0倍を含みます)
  4の倍数・・・・・下2ケタ00,04,08・・・・・92,96など4の倍数になっている(0倍を含みます)
  8の倍数・・・・・下3ケタ000,008,016,024・・・・・992など8の倍数になっている(0倍を含みます)
  16の倍数・・・・・下4ケタ0000,0016,0032・・・・・9984など16の倍数になっている(0倍を含みます)
 
 3の倍数系列
  3の倍数・・・・・各位の数字の和3の倍数になっている
  9の倍数・・・・・各位の数字の和9の倍数になっている
 
 その他の倍数系列
  5の倍数・・・・・下1ケタ0か55の倍数になっている(0倍を含みます)
 
 7や11や13の倍数の見分け方というのも存在するのですが、それらは6ケタや7ケタの整数を判別するために使う方法で、大学入試レベルの整数の話になってしまうため、ここでは扱いません。ちなみに3や9の倍数の見つけ方は、難関高校(早稲田や慶応)の数学の入試問題では証明問題として出題されることもありますから、中学入試でも上位校の受験を考えている生徒は、なぜそうなるのかという理由も含めて理解しておく必要があります

 きりが良いので、今日はここまでにして、次回は(2)素数の見つけ方について、その次は(3)約数の個数の見つけ方について、と「約数と倍数」についての話を続けます。ほとんどウェブ授業のようになってきましたが、役に立つ話ですからガマンして読んでくださいね。それでは、また。

中学入試に役立つ学習法:算数編その4

2022-12-06

カテゴリー:中学入試に役立つ学習法:算数編,

 今回は「計算」について書いてみたいと思います。「計算」とは「正確に、速く、できるだけ楽をして、数値を求めること」です。生徒の発達段階に応じて、「正確に」が求められるのか、「速く」が求められるのか、「できるだけ楽をして」が求められるのか変わってきますから、この点に注意して指導する必要があります。
 また、「計算」「暗算」「筆算」違うことにも注意しなければいけません。つまり、「計算」というカテゴリー(分野)の中に「暗算」や「筆算」という項目があるわけです。算数の問題を間違えたときに「式を間違えた」のであれば、基本となる考え方が違うことになり、「計算を間違えた」のであれば、式を計算する過程で、「暗算を間違えた」のか、「筆算を間違えた」のか、「途中で書き間違えた」のかに区別されるわけです。
 では、「計算」を間違えた理由を単元別にくわしく見ていくことにしましょう。
 
 ①「整数の計算」を間違えたときの注意点
 
 整数の計算では、「暗算」と「筆算」のどちらを間違えたのかが重要です。

 「暗算」を間違えた場合には、足し算や引き算の繰り上がりや繰り下がりで間違えた可能性が高くかけ算や割り算で間違えたのならば、九九が不完全か、倍数や約数の勘違いによるものがほとんどです。

 「筆算」を間違えた場合には、筆算の形式が違う場合がありますので特に注意が必要です。特に末尾に0を含んだ2ケタや3ケタのかけ算小学校での問題演習が不十分なため、筆算のやりかたに問題がある場合も多々ありますから、注意してください。
 
 ②「小数の計算」を間違えたときの注意点
 
 数の計算では、「筆算」のやりかたがきちんとわかっているかが重要です。

 小数どうしの足し算や引き算では、小数点の位置をそろえて計算しているかどうかが重要であり、小数どうしのかけ算では、答えの小数点の位置の取り方がきちんとわかっているかが重要です。

 そして苦手な生徒が多いのが、小数がからんだ割り算です。答えが割り切れるときはまだ良いのですが、あまりの出る小数どうしの割り算がきちんとできる小学生は少ないですから、以下に挙げた問題で、「筆算力」をチェックすると良いでしょう。
 
  (1) 4÷0.0125=
 
  (2) 0.32÷0.125=
 
  (3) 8÷0.122=
  (商は整数で、あまりも求めよ)
 
  (4) 0.43÷7=
  (商は小数第3位まで、あまりも求めよ)
 
  (5) 0.284÷0.18=
  (商は小数第2位まで、あまりも求めよ)
 
というわけで、今日はここまでにします。
 
 
 
※答えは
(1)320
(2)2.56
(3)65あまり0.07
(4)0.061あまり0.003
(5)1.57あまり0.0014

中学入試に役立つ学習法:算数編その3

2022-11-08

カテゴリー:中学入試に役立つ学習法:算数編,

 前回は「単位の概念」についてでした。今回は「メートル法」についてです。「メートル法」の単位換算が確実にできるようになるためには、「メートル法」がどのように決められたのかを知ると、算数だけでなく理科や社会にも応用が利きますから、よく覚えておいてください。
 
 ③「メートル法」を認識しましょう
 
 「メートル法」の換算で一番大事なのは「k(キロ)という文字がついたら、次についている単位を1000倍しなさい」「m(ミリ)という文字がついたら、次についている単位を1000分の1にしなさい」ということです。つまり、1kmは1mの1000倍1mmは1mの1000分の1になるわけです。
 
 では、メートルという単位はどのようにして決められたのでしょう
 
 単位がバラバラだと非常に困ったことになるのは前回書きましたが、メートル法は18世紀の終わりにフランスで決められました。「世界中で使われる統一単位」を考えるために、フランスの科学者たちが一生懸命考えた末に、まず長さの単位であるメートル(m)が決められました。
 
 長さの単位メートル(m)は北極から赤道までの子午線の長さを1万kmとして決めました。ですから、地球1周が4万kmなのです。
 
 次に決めたのが、かさの単位であるリットルです。内径が1辺10cmの立方体の升(ます)に入る水の量を1リットルとしたのです。
 
 最後に、1リットルの水の重さを1kgとしました。ですから、1立方センチメートルの水の重さが1gなのです。
 

 このようにして、長さ(メートル)かさ(リットル)重さ(グラム)の基本単位が決められたのです。ちなみに、「c(センチ)という文字がついたら、次についている単位を100分の1にしなさい」「d(デシ)という単位がついたら、次についている単位を10分の1にしなさい」という意味ですが、日常的に使うのはセンチメートルデシリットルぐらいですから、この2つの単位換算だけを覚えておけば良いでしょう。
 
 さて、それでは広さ(面積)の単位はどうなっているのでしょう?
 
 これも1平方メートル(たて1メートル、横1メートルの正方形の広さ)をもとにして決めています。
 
 1平方メートル1m×1mの広さ
 
 1アール10m×10mの広さ
 
 1ヘクタール100m×100mの広さ
 
 1平方キロメートル1km×1kmの広さ、つまり1000m×1000mの広さ
 
 となっています。だから、1平方メートルの100倍が1アール1アールの100倍が1ヘクタール1ヘクタールの100倍が1平方キロメートルとなるわけです。
 
 最後にかさ(体積)の単位はどうなっているのでしょう?
 
 これも広さ(面積)の単位と同じように考えればいいのです。
 
 1立方センチメートル1cm×1cm×1cmの立方体の体積で、液体の場合は1ccとも表します
 
 1立方メートル100cm×100cm×100cmの立方体の体積
 
 1リットル10cm×10cm×10cmのかさを表す立方体の体積であることはすでに述べましたから、やはり立方体の1辺の基本の長さは10倍ごとに増えています
 
 ですから、1立方センチメートルの1000倍が1リットル1リットルの1000倍が1立方メートルつまり1000リットルとなるわけです。
 
 単位で最も大切なことは、その大きさをイメージできるようになることです。たとえば、1アールという広さは大体テニスコート1面分ぐらいの広さです。200リットルというかさは、家庭用のお風呂に入るお湯の体積です。同じように、時速4kmならば子どもの徒歩の速さですし、時速20kmならば自転車の速度時速40kmで自動車の速さというように、大体の単位の目安がわかっていることが重要です。なぜなら、速さや体積などの計算をしているうちに、ケタを間違えて計算して、答えが大きくなりすぎたり小さくなりすぎたりしても、計算間違いをしていることに気づくからです。というわけで、単位は身近なものですから、自分の身の回りにあるものがどれくらいの広さや体積なのかを普段から気をつけて見てみましょう。
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