国府台女子学院中学部は、千葉県市川市にある仏教系(浄土真宗本願寺派)の学校で、千葉県では数少ない女子校の一つです。付属の小学校もあり、また高校からの募集も行っています。校舎は京成本線市川真間駅から徒歩5分のところにあります。大正15年(1926年)創立、今年で92年目になります。
国府台女子学院の正門です。
平成29年度より、完全週6日制が実施されました。毎週土曜日4時間授業が行われることになりました。これによって、平日もゆとりをもって過ごすことができたり、放課後の時間を有効活用できたりといったメリットがあります。
平成29年度より、「情報リテラシー」の授業が新設されました。「情報リテラシー」の授業は、国語科目の1つとして、中1〜中3次に週1時間行っています。検索端末の使い方や本の分類など図書館の利用法を学び、自分の考えをしっかりと書く力を養うことのできるカリキュラムを用意。また、「クリティカルシンキング」のテキストを使い、物事を多角的に考える力も伸ばします。「アクティブラーニング」形式を取り入れた双方向型の授業を展開し、グループでの発表やディスカッションを通じて将来に活きる力をつけます。
国府台女子学院のクラス編成ですが、中3で国公立大や難関私立大を目指す選抜クラスを1クラス編成します。
高1では、普通科と英語科に分かれます。普通科は中3から継続する「選抜Aクラス」と高校から新たに編成する「選抜Bクラス」と「普通クラス」、そして「美術・デザインコース」があります。
高1の1月末に「コース判定テスト」を実施し、学力達成度と希望により、高2からのコースを決定します。
高2・3では、普通科は、以下の6つのコースに分かれます。
①「選抜理系コース」
②「選抜文系国立コース」
③「選抜文系私立コース」
④「進学理系選択コース」
⑤「進学文系選択コース」
⑥「美術・デザインコース」
推薦入試合格者には1月21日の第1回入試を必ず受験していただきます。試験結果は合否には関係ありませんが、受験しないと内定取り消しになりますのでご注意ください。
ちなみに、エクセレントゼミナールの生徒の国府台女子学院中学部の累計合格実績は82%(11名受験9名合格)です。
図書館です。
平成29年度中学入試結果
・応募者数
推薦 12/1 173名(H28年度 157名)
第1回 1/21 779名※1(H28年度 782名※1)
第2回 2/5 118名(H28年度 73名)
・受験者数
推薦 12/1 173名(H28年度 157名)
第1回 1/21 730名(H28年度 721名)
第2回 2/5 101名(H28年度 61名)
・合格者数
推薦 12/1 68名(H28年度 69名)
第1回 1/21 417名※2(H28年度 399名※2)
第2回 2/5 26名(H28年度 30名)
※1 第1回入試の応募者数には推薦非内定者が含まれています。
(H29 105名、H28 88名)
※2 合格者数には推薦内定者は含まれていません。
・合格最低点(推薦は300点満点、第1回・第2回は320点満点)
推薦 12/1 167点(H28年度 181点)
第1回 1/21 196点(H28年度 183点)
第2回 2/5 186点(H28年度 163点)
・繰上合格者数
第2回 2/5 7名(H28年度10名)
・受験者平均点
推薦(国語100点、算数100点、社会50点、理科50点)
国語51.4点、算数42.8点、社会33.5点、理科26.5点
一般(国語100点、算数100点、社会60点、理科60点)
第1回 国語64.2点、算数50.9点、社会39.1点、理科36.0点
第2回 国語43.9点、算数49.0点、社会29.3点、理科36.4点
・合格者平均点
推薦(国語100点、算数100点、社会50点、理科50点)
国語59.1点、算数59.0点、社会38.5点、理科30.7点
一般(国語100点、算数100点、社会60点、理科60点)
第1回 国語69.7点、算数64.7点、社会43.6点、理科41.4点
第2回 国語55.2点、算数69.3点、社会38.1点、理科46.5点
国語
①推薦入試
平均点は51.4点。試験内容は、例年通り、難易取り混ぜた知識問題やヒントに従って考える問題、短めの文章題(3題)等を出題しましたが、受験生にとって手応えのある問題が多かったようです。問10や問13のような単純な知識問題は比較的よく出来ていましたが、問18のように色の慣用句で緑色になる組み合わせを答えるような想像力が求められる問題で合格者と不合格者の差がついていました。また、短めの文章であっでも内容を読み取ることのできない受験生が多く、問21〜22の文章題の中に正答率が低いものがありました。
②第1回入試
平均点は64.2点。正答率は小問集合が44.1%、長文問題が81.4%でした。長文問題は、登場人物が中学生の小説で受験生と年代が近いこともあり、心情をとらえやすかったようです。設問自体は平易なものではありませんでしたが、全体的によく出来ていました。29年度に新たに出題した長文の選択肢で登場人物について問う問題では、選択肢を読解する力も求められたために、その問題では合格者と不合格者の差がついていました。
③第2回入試
平均点は43.9点。正答率は小問集合が41.2 %、長文問題が52.4%でした。問題の形式は第1回と同様(知識4: 長文6)でした。問2の敬語表現の問題はよく出来ていました。それに対して漢字の書き取り問題の出来があまりよくありませんでした。長文問題は、言語の発達に関する評論を出題。問4や問5のような文章の内容を深く理解する問題で苦労しているようでした。
算数
①推薦入試
出題内容は大問5題の構成で、整数・小数・分数の四則混合計算問題、短い文章形式の計算穴埋め問題、解法の経過を考えさせる問題、図形を利用した計算問題、グラフから数値を読み取る問題に分かれています。最初の四則混合計算問題は正答率が他の問題よりも高く、ほとんどの受験生が得点しています。それ以降の問題では、特殊算を出題していますので、代表的な問題を繰り返し解き、理解度を高めておくことが必要です。
平均点は42.8点。問1の四則混合計算問題は形式を変えていませんが、(2)、(3)のような複雑な数の計算については正答率が下がりました。問2の特殊算を使った一行問題は、年齢算、仕事算など代表的なものを出題しましたが、 (3)の流水算の問題、(4)の整数の問題は正答率が低くなりました。問3の計算経過の穴埋め問題は、問題文の説明を読み進めていけば出来る問題でしたが、例年より正答率は低くなりました。問4の図形問題は、角度計算については概ね出来ていましたが、(3) の立体図形の問題は立体の切断の後、体積を求めるという形式に苦戦したようです。問5のグラフ問題は、受験者全体の正答率は低かったのですが、内定者はよく対応できており、非内定者との正答率に大きな差が生じました。
②第1回入試
出題形式は推薦入試とほぼ同じです。
平均点は50.9 点。問1の四則混合計算問題は高い正答率でした。問2の特殊算を使った一行問題は、(5)の食塩水の問題の正答率がやや低くなりました。また、(1)の過不足算、(6)のニュートン算で合格者、不合格者の正答率に差が出ました。問3の経過を書かせる問題は、全体としては例年並みの出来でした。問4では、(2)の面積比の問題、 (3) の回転体の表面積の問題については、イメージしにくく解きづらかったようです。問5のグラフ問題は、前半の正答率が高かった反面、全て解けていない受験生もいました。
③第2回入試
出題形式は推薦入試とほぼ同じです。
第2回入試は平均点が49.0点。例年よりも計算問題やグラフの問題の正答率が高くなりました。逆に問4の図形の問題は、正答率が低くなりました。問2の特殊算を使った一行問題は、 (6) の仕事算ばとてもよく出来ていたのですが、(4) の相当算は正答率が低くなりました。
問3の(2)は食塩水の問題でしたが、誘導問題にすることにより正答率も高くなったようです。
理科
①推薦入試
問題数は大問4問です(50点満点、総問題数は25問)。1は物理・化学・生物・地学の4分野の小問集合で6題出題しました。すべて3から5個の選択肢の中から正答を選ぶ問題でしたが、正答率は炎の温度の問題が一番高く、浮力の問題が低くなりました。2の生物分野は目に関する問題で、ホニュウ類の目についてはよくできていましたが、ヒトの目のつくりは正答率が低くなりました。3は地学分野の火山に関する問題で、比較的高い正答率になりましたが、火山ガスに一番多く含まれる気体(水蒸気)の問題は、受験生にとって少し難しかったようです。4は物理分野で、力のつり合いに関する内容でした。本学院受験生が苦手とする内容でもあり、正答率は低くなりました。基本的な問題はよくできていましたが、浮力と組み合わせて考える問題は特に正解を導きにくかったようです。各設問の正答率は、1.55%、2.53%、3.61%、4.41%、平均点は26.5点でした。
②第1回入試
出題分野は28年度と同様で問題数は大問5問です(60点満点、総問題数は30問)。1は理科4分野の小問集合で、選択肢から選ぶ問題7題、ことばで答える問題を1題出題しましたが、すべての問題で正答率が50%を超え全体的に正答率が高くなりました。2の生物分野は血液に関する問題で、全体的によくできていました。一方、「こつずい」と答える問題の正答率が低くなりました。3の化学分野は、金属と酸による水素発生の量的関係を出題しました。与えられた表から過不足なく反応する量を読み切れたかどうかで出来不出来が分かれました。また、グラフを書く問題を出題しましたが、グラフを読めても書くのは難しかったようです。4の地学分野はオリオン座と星の動きに関する出題でした。オリオン座が冬の星座であることは知っていても、南中する月(2月)が結びつかなかったようです。また、日時が変わったときの星の位置の問題は正答率が低くなりました。5の物理分野は凸レンズと像の問題でしたが、凸レンズの焦点距離や像の向き・大きさの関係をしっかり学習してきたかどうかが正答率の差に表れたようです。各設問の正答率は、1.68%、2.68%、3.53%、4.58%、5.49%、平均点は36.0点でした。
③第2回入試
出題形式は第1回と同様で(60点満点、総問題数は29問)、1は理科4分野の小問集合を8題出題しました。3〜5個の選択肢の中から正答を選ぶ問題でしたが、オーストラリアの日の出の方位は正答率が低くなりました。2の生物分野は、植物の移り変わりについての内容でした。図を見てその状況から答える問題を出題しましたが、全体的に出来不出来の差が大きくなりました。3の化学分野は中和に関する問題で、物質の性質などはよくできていましたが、計算問題は正答率か低くなりました。4の地学分野は、気象データからそのときのようすを問う問題でしたが、湿度と風向の問題で正答率が低くなりました。5の物理分野は摩擦力に関する問題で、「最大摩擦力」という耳慣れない言葉が出てきます。与えられた表から状況をしっかり読み取れれば答えを導ける問題でしたが、正答率に差が出ました。各設問の正答率は、1.62%、2.57%、3.63%、4.58%、5.65%、平均点は36.4点でした。
社会
①推薦入試
社会と理科合わせて50分、配点は各50点満点です。各問のテーマは直前の説明会で伝えました。
【地理】「旗」をテーマに出題しました。テーマは説明会で伝えていたため、そこから連想しやすい国旗に関わる問題の、知識を問う部分は高い正答率でしたが、逆に言えば、ここでは差はつきませんでした。差がついたのは、国旗に共通の部分を持つことから植民地支配を答えさせる問題、県旗が象徴している地名を問う問題(漢字の間違いが多かった)、国連の旗に設えてある世界地図を読み取る問題でした。
【歴史】「建築様式」をテーマに出題しました。こちらも、建築に関する知識をそのまま問う問題は正答率が高く、差はつきませんでした。差がついたのは、平城京のモデルとなった都市を答える問題、史料の読み取り問題、普通選挙権についての問題(条件が細々と書いてありますが、「全成年男性」ということを分かっていれば答えられます)、近年の震災の位置と順番を対応させる問題、問題文の文意を問う国語的な問題です。
【公民】日本国憲法について、その条文と憲法に基づく基本的な国家制度について出題しました。いずれも基本的な出題でしたが、意外に出来不出来がはっきりとわかれました 。また、話題となっている皇室典範の内容について問うた問題も大きく差がつきました。
各正答率は、地理72.7%、歴史64.5%、公民65.5%で、平均点は28年度28.6点に対し、29年度は33.5点でした。
②第1回入試
第1回・第2回入試ともに、30分間で配点は60点満点です。
【地理】第1回入試恒例となっている紀行文を今年も出題しました。今回は中国地方の旅行を主題としています。地理の基本的知識を問う問題と、グラフを読み取る問題は高い正答率でした。合否を分けたのは、地理の問題の中で歴史的要素を問う問題(石見銀山の「銀」を答えさせる問題)、文章から地理的把握を行って東西南北を答えさせる問題、TPPの影響について問う論述問題でした。また、「宍道湖」が書けるかどうかも差がついたところです。3つの大問はおおむね「地理」「歴史」「公民」に対応しますが、それらのジャンルを混合する出題も行います。聞いていることは難しくはありませんので、先入観にとらわれずに答えられるようにしましよう。
【歴史】近世史と近現代史の正答率が低い傾向が見られます。これは推薦、第2回でも同様でしたが、第1回は特に顕著でした。この時代は、現代の社会に直結する、歴史の中でも特に重要な部分です。それだけに、ただ覚えるだけではなく、その出来事の意味をきちんと理解する必要があります。古い時代から順に学習をはじめるのかも知れませんが、新しい時代こそ、じっくりと時間をかけて学べるように学習計画を立てて挑んでください。
【公民】選挙をテーマとした出題を行いました。大きく差がついたのは、「小選挙区」という語句を問う問題、参議院選挙の仕組みを問う問題、女性選挙権獲得を聞いた歴史的分野の問題、様々な国の「国民投票」について問う問題です。また、比例代表制の特徴を問う問題は正答率が低く、ここを正解できた人は優位に立てたと言えます。やはり、ただ覚えるだけではなく、その制度にはどういう意味があるのかを理解できているか(今回でいえば、なぜ小選挙区と比例代表区の2つの制度があるのかを、それぞれのメリット・デメリットから理解している)が合否の分かれ目になっています。
各正答率は、地理68.1%、歴史65.3%、公民74.8%で、平均点は28年度36.6点に対し、29年度は39.1点でした。
③第2回入試
【地理】第2回入試は、テーマを事前に公開しないこともあって、地理に限らず、すべての問題において大きく差がついています。地理は人口動態をテーマに出題しましたが、特に差が大きかったのは、やや複雑な人口の変化についての表を正しく読み取る問題、出身地に戻って就職することを「 U ターン現象」と呼ぶことをふまえて途中の地方中心都市まで戻って就職することを何と呼ぶか答える問題でした。
【歴史】日本の宗教史をテーマに出題しました。平均点は低いものの、すべての問題に大きく差がつき、合格者はいずれも高い得点を獲得しています。特に、唐と日本の関係について問うた問題と第二次世界大戦の国際関係を問うた問題は、合格者のほぼ全員が正解し不合格者はほぼ全員が不正解であるという、この2問だけで全体を占う結果となりました。推薦、第1回でも、国際関係に絡む問題は合否を分ける傾向がありましたが、第2回においてはそれが特に強く出ました。
【公民】地方自治をテーマに出題しました。特に大きく差がついたのは、まず語句、そして「地方自治は民主主義の学校」という言葉の意味を問う問題、そして、住民税、地方交付税、国庫支出金などの国と地方公共団体の財源をめぐる関係を問うた問題でした。
各正答率は、地理62.0%、歴史43.6%、公民51.2%で、平均点は28年度33.0点に対し、 29年度は29.3点でした。
中庭です。
平成30年度中学入試について
・変更点なし
推薦入試 12/1 約50名募集
国語・算数(各40分、各100点)・社会・理科(計50分、各50点)
第1回入試 1/21 約95名募集
国語・算数(各50分、各100点)・社会・理科(各30分、各60点)
第2回入試 2/5 約15名募集
国語・算数(各50分、各100点)・社会・理科(各30分、各60点)
国語
①全体の構成
近年、本学院独自のパターンで出題してきました。つまり、推薦入試(40分、100点)では小問集合のみ(短い文章題を含む)、第1回・第2回入試(50分、100点)では小問集合と長文問題1題 ― という形です。
平成30年度入試についても同じパターンで出題します。第1回・第2回入試の配点も同様で、小問集合が約40点、長文問題が約60点です。
②小問集合について
漢字・熟語、ことわざ・慣用句、新聞等でよく用いられる語句(外来語も含めて)の意味選びなどの知識問題や、正しい言葉の使い方、短文作りなどの日本語表現力を問う問題が中心です。また、「ヒントに従って考える力」を見る問題や、感性・想像力をはかる問題も出題したいと考えています。近年は漢字・熟語などの「基本中の基本」をマスターしていない受験生が目立つので、難問ばかり解くのでなく、まずは漢字力(意味を含めて)をきたえてください。推薦入試では、1000字以内の短い文章を材料にして、論理展開や心情を問うような問題も出題する方針です。
③長文問題について
第1回・第2回入試とも1題だけなので、問題文は昨年と同様、少し長めになると思います。論理的文章(評論など)か文学的文章(小説など)かどちらかを出題します。レべルはほぼ昨年並みとお考えください。
長文問題は、「要するに何がどうだと言っているのか」「だれがどんなことをして、どう思っているのか」という骨格を頭の中で確認しながら読むことが大切です。大筋をきちんとつかめれば、とんでもない間違いはしません。多くの受験生が苦手な記述問題は、答えの中心となる語句や文が本文の中に必ずあるので、まず注意深くそれを見つけましよう。そして、問題が求めている内容や答え方の形に合わせるために、その中心語句をどう変えなければならないか、あるいはそのままでいいかなどよく考えましよう。例年、途中まで内容的によくても文末の答え方が間違っている答案を多く見かけます。時間はある程度の余裕があると思いますので、焦らず、ていねいに本文や設問を読んで答えてください。
記述問題では例年、主語と述語がきちんと対応していない解答がかなりあります。国語力を高めるのは、やはり読書習慣です。漢字や慣用句などの知識を増やすとともに、いい文章をたくさん読むよう心がけてください。
なお、小問集合、長文問題とも、出題する漢字は小学校で学習するものを原則としますが、日常よく用いられるレべルのものについては、小学校で学習していないものを出題する場合があります。また、本文中の「ふりがな」についても、ある程度の読書習慣があれば当然読めるような常識的なものは、小学校の学習範囲以外でもつけない場合があります。
算数
平成30年度入試については、推薦、第1回、第2回すべてにおいて、計算過程を考えさせる問題の1問を記述形式に変更します。平成32年からの教育改革に伴い、「考える力」が必要になってきます。入学後の数学の授業では自ら考え、答えを導いていく力を養っていきます。受験生にも、この「考える力」の基礎を身につけ入学して頂きたいと考えています。
出題については、すべての試験において同じ形式で行います。最初に四則混合計算を数問出題し、次に文章形式の計算穴埋め問題を出題します。解法の経過を見る問題については、2問用意し、1問は例年通りの穴埋め問題、1 問は計算過程を書かせる記述問題とします。図形、グラフといった問題も例年通り出題する予定です。対策としては、第一に基本的な計算力をつけることです。四則混合計算は確実に得点できるようにしてください。また、中学受験に必要な様々な特殊算について理解を深めてください。最初の計算と、特殊算の一行問題、途中経過を見る問題で、テスト全体の約50%を占めます。経過、図形、グラフなどの応用問題も大切ですが、それ以上に基礎的な部分に目を向けてほしいと思います。解法の経過を書く問題は、どのように考え、答えを導き出したのかを確認するためのものなので、考えを省略することなく、丁寧に書くことを意識すれば、正解にたどり着きます。図形問題については、円周率3.14などの小数を用いた計算で受験生間に差がつく傾向があります。グラプ問題については、分かったところから数値を書き入れるようにし、場合によっては自分で理解しやすくするために、与えられたグラフ以外に他の図を描いたりすると良いでしよう。
理科
推薦入試は昨年同様で大問が4題になる予定です。小問集合・生物・地学・物理分野となります。総問題数は25問前後です。第1回・第2回も昨年と同様で、小問集合と生物・化学・物理・地学の4分野の大問で5問出題する予定です。(総問題数は30題前後)。各回とも基礎的な知識を問う問題を中心とし、計算問題の他、グラフや図から規則性を読み取る問題も出題する予定です。
理科の入試対策としては、理科全般にわたる基礎的な知識問題を多めに出題しますので、基礎学力をしっかりつけてください。また、問題文で与えられた情報から答えを導く問題(計算問題など)や、言葉で答える(簡単に説明する)問題も考えております。
社会
推薦入試、第1回・第2回のいずれの入試も「地理」「歴史」「公民」の3つの分野から出題します。推薦入試は地理・歴史合わせて35点前後、公民は15点前後の予定です。第1回・第2回入試は地理・歴史がそれぞれで20〜25点、公民は15点前後の予定です。分野と出題の大問はおおよそ対応しますが、地理的な大問の中からあえて歴史的な事項を問う事もあります。このような出題は、昨今の「合科目」への流れもふまえて、積極的に行っていきたいと思います。また、分野を問わず、時事問題的要素を含む出題も行います。
難易度については、第1回・第2回に比べて、推薦入試は基礎的な問題を多く出題します。また、いずれの入試でも簡単に説明してもらう論述問題を出題することもあります。問いに対する答えを的確に文章で表現できるように練習しておいてください。
なお、地名・人名・事件名などの用語を答える場合は、必ず漢字で解答してください。誤字は言うまでもなく、ひらがなも原則として得点にはなりません。そのため普段からきちんと漢字で書く習慣を身につけてください。
例年、ただ知識を問う問題や、説明会で解説したテーマそのままの問題については正答率が高く、ここは合格のためには落とせない部分となります。差がつくのは、時代や出来事についての理解を問う問題(さらにそれを説明する記述問題)、史料を読み解く問題(史料を知っている必要はありません、それが何についてのことなのかを読み解く力です)、時代の並び替え問題、歴史分野での日本の国際関係に関わる問題、時事問題に関する理解、そして漢字の正確さです。こういった問題をどれだけ解くことができるかが、合否を分けます。
説明会会場の寿光殿(講堂)です。
平成29年度大学入試結果(合格者数)
・国公立大22名(H28年度22名)
東工大1名、東京外大3名、お茶の水女子大1名、千葉大3名、筑波大3名、埼玉大1名、首都大東京3名、北海道大1名 等
・私立大
早稲田大28名、慶應義塾大7名、上智大23名、東京理科大10名、ICU2名
明治大37名、青山学院大19名、立教大38名、中央大18名、法政大29名、学習院大16名 等
・卒業生数342名
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