塾対象説明会レポート:国府台女子学院中学部
2019-08-09
カテゴリー:塾対象説明会レポート2019
国府台女子学院中学部は、千葉県市川市にある仏教系(浄土真宗本願寺派)の学校で、千葉県では数少ない女子校の一つです。付属の小学校もあり、また高校からの募集も行っています。校舎は京成本線市川真間駅から徒歩5分のところにあります。大正15年(1926年)創立、今年で94年目になります。
国府台女子学院の正門です。
国府台女子学院のクラス編成ですが、中3で国公立大や難関私立大を目指す選抜クラスを1クラス編成します。
高1では、普通科と英語科に分かれます。普通科は中3から継続する「選抜Aクラス」と高校から新たに編成する「選抜Bクラス」と「普通クラス」、そして「美術・デザインコース」があります。
高1の1月末に「コース判定テスト」を実施し、学力達成度と希望により、高2からのコースを決定します。
高2・3では、普通科は、以下の6つのコースに分かれます。
①「選抜理系コース」
②「選抜文系国立コース」
③「選抜文系私立コース」
④「進学理系選択コース」
⑤「進学文系選択コース」
⑥「美術・デザインコース」
2019年度中学入試結果について、受験者数は推薦入試が195名(59名増加)、第1回入試が868名(147名増加)、第2回入試が108名(17名増加)と全ての回で増加しました。合格者数は推薦入試が68名(1名増加)、第1回入試が410名(21名減少)、第2回入試が16名(2名減少)となりました。実質倍率は推薦入試が2.9倍(+0.9)、第1回入試が2.1倍(+0.4)、第2回入試が6.8倍(+1.7)と全ての回で増加しました。
合格最低点(推薦は300点満点、第1回・第2回は320点満点)
推薦 188点(2018年度 178点)
第1回 205点(2018年度 206点)
第2回 209点(2018年度 226点)
となりました。
2020年度中学入試は特に変更はありません。推薦入試合格者には1月21日の第1回入試を必ず受験していただきます。試験結果は合否には関係ありませんが、受験しないと内定取り消しになりますのでご注意ください。
2019年度大学入試の合格者数は、国公立大が東京大1名、東京医科歯科大2名、東京外大1名、東京藝術大2名を含む29名(現役25名)で、昨年度より10名増加となりました。私立大は、早慶上理が合計で46名、GMARCHが合計で122名でした。ここ最近は理系へ進む生徒が増えていて、医学部医学科には10名合格しました。また、高校には「美術・デザインコース」がありますので、美術系の大学に進む生徒も多くいます。尚、四年制大学への現役進学率は、89.0%でした。
ちなみに、エクセレントゼミナールの生徒の国府台女子学院中学部の累計合格実績は83%(12名受験10名合格)です。
国府台女子学院の図書館です。
2019年度中学入試結果
推薦入試 12/1
志願者数 196名(2018年度 136名)
受験者数 195名(2018年度 136名)
合格者数 68名(2018年度 67名)
第1回入試 1/21
志願者数 915名※1(2018年度 756名※1)
受験者数 868名(2018年度 721名)
合格者数 410名※2(2018年度 431名※2)
※1 第1回入試の応募者数には推薦非内定者が含まれています。
(2019年度 128名、2018年度 69名)
※2 合格者数には推薦内定者は含まれていません。
第2回入試 2/5
志願者数 117名(2018年度 103名)
受験者数 108名(2018年度 91名)
合格者数 16名(2018年度 18名)
合格最低点(推薦は300点満点、第1回・第2回は320点満点)
推薦 12/1 188点(2018年度 178点)
第1回 1/21 205点(2018年度 206点)
第2回 2/5 209点(2018年度 226点)
受験者平均点
推薦(国語100点、算数100点、社会50点、理科50点)
国語64.1点、算数52.8点、社会27.8点、理科29.2点
一般(国語100点、算数100点、社会60点、理科60点)
第1回 国語59.7点、算数63.5点、社会36.3点、理科38.1点
第2回 国語54.2点、算数48.1点、社会30.8点、理科34.4点
合格者平均点
推薦(国語100点、算数100点、社会50点、理科50点)
国語74.1点、算数64.6点、社会33.7点、理科34.7点
一般(国語100点、算数100点、社会60点、理科60点)
第1回 国語68.7点、算数75.3点、社会41.0点、理科42.6点
第2回 国語65.7点、算数71.6点、社会41.1点、理科45.8点
2020年度中学入試について
・変更点なし
推薦入試 12/1 約50名募集
国語・算数(各40分、各100点)・社会・理科(計50分、各50点)
第1回入試 1/21 約95名募集
国語・算数(各50分、各100点)・社会・理科(各30分、各60点)
第2回入試 2/5 約15名募集
国語・算数(各50分、各100点)・社会・理科(各30分、各60点)
国語
①全体の構成
問題の構成は本学院独自のものです。つまり、推薦入試(40分、100点)では小問集合のみ(1000字程度以内の短い文章題を含む)、第1回・第2回入試(50分、100点)では小問集合と長文問題1題 ― という形です。
2020年度も、推薦入試、第1回入試、第2回入試のいずれも同じ形式、配点で出題する予定です。
②小問集合について
漢字・熟語、ことわざ・慣用句、新聞等でよく用いられる語句の意味を問う問題や、正しい言葉の使い方、文法、短文作りなど語句に関する知識問題が中心です。また、「ヒントに従って考える力」をみる問題や、感性・想像力をはかる問題も出題したいと考えています。また高得点を狙うなら、「基本中の基本」の語句の知識はいうまでもなく、新聞や少し難しい評論文なども進んで読み、日常ではなかなか出会わないような語句にも意を留める習慣が必要です。短い文章による読解問題の対策も怠らないでください。
③長文問題について
第1回・第2回入試とも1題だけなので、問題文は昨年と同様に、説明的文章か文学的文章かのどちらかを出題します。
長文問題は、「要するに何がどうだと言っているのか」「だれがどんなことをして、どう思っているのか」という骨格を頭の中で確認しながら読むことが大切です。大筋をきちんとつかめれば、やや難しい表現に出会っても大きな誤読にはつながりません。多くの受験生が苦手な記述問題は、答えの中心となる語句や文が本文の中に必ずあるので、まず注意深くそれを見つけることが大切です。そして、問題が求めている内容や答え方の形に合わせるために、その中心語句をどう変えなければならないか、あるいはそのままでよいかなどよく考えましょう。例年の記述解答の中には、主語と述語が対応していないもの、要点は捉えていても文末の答え方が不適切であるものを見かけます。焦らず、ていねいに本文や設問を読んで答えてください。近年は本文で掲げられた問題を自分なりに考えて解答につなげる新傾向の問題も出題しています。日頃から問題意識や柔軟な思考力を養う努力をしましょう。
なお、小問集合、長文問題とも、出題する漢字は小学校で学習するものを原則としますが、日常よく用いられるレベルのものについては、小学校で学習していないものを出題する場合があります。また、本文中の「ふりがな」に関しても同様で、小学校の学習範囲以外の漢字であっても、ある程度の読書週間があれば当然読めるような常識的なものにはつけてありませんので、多くの語に習熟するよう心がけてください。
国語力を高めるのは、やはり読書習慣です。漢字や慣用句などの知識を増やすとともに、他者理解の姿勢を身につけるためにも良質な文章にたくさん触れることを望みます。
算数
2020年度入試については、昨年度と大きな変更はありません。出題については、すべての試験において同じ形式で行います。最初に四則混合計算を数問出題し、次に文章形式の計算穴埋め問題を出題します。解法の経過を見る問題については、2問用意し、1問は穴埋め問題、1問は計算過程を書かせる記述問題とします。図形、グラフといった問題も例年通り出題する予定です。対策としては、第一に基本的な計算力をつけることです。四則混合計算は確実に得点できるようにしてください。また、中学受験に必要な様々な特殊算について理解を深めてください。最初の計算と、特殊算の一行問題、途中経過を見る問題で、テスト全体の約50%を占めます。経過、図形、グラフなどの応用問題も大切ですが、それ以上に基礎的な部分に目を向けてほしいと思います。また、問題をきちんと読み、立式できるように練習しましょう。解法の経過を書く問題は、どのように考え、答えを導き出したのかを確認するためのものなので、考えを省略することなく、丁寧に書くことを意識すれば、正解にたどり着きます。図形問題については、円周率3.14などの小数を用いた計算で受験生間に差がつく傾向があります。グラプ問題については、分かったところから数値を書き入れるようにし、場合によっては自分で理解しやすくするために、与えられたグラフ以外に他の図を描いたりすると良いでしよう。
理科
3回の試験ともに、例年通りの傾向で作成予定です。推薦入試は大問が4問で、小問集合・生物・地学・物理分野となります。総問題数は25問前後で、易しいものからやや難しいものまで出題する予定です。
第1回・第2回は大問が5問で、小問集合と生物・化学・物理・地学の4分野となります。総問題数は30問前後で、各回とも基礎的な知識を問う問題、計算問題、グラフや図から規則性を読み取る問題を出題する予定です。
対策としては、理科全般にわたる基礎的な知識問題を必ず出題しますので、基礎学力をしっかりつけてください。また、問題文で与えられた情況から答えを導く問題、簡単に説明する問題など、知識を活用しながら答えを導く問題も出題する予定ですので、そのような問題にも触れておくと良いと思います。
社会
推薦入試、第1回・第2回のいずれの入試も「地理」「歴史」「公民」の3つの分野から出題します。推薦入試は地理・歴史合わせて35点前後、公民は15点前後の予定です。第1回・第2回入試は地理・歴史がそれぞれで20〜25点、公民は15点前後の予定です。大問と出題分野はおおよそ対応しますが、昨年の出題を見ていただいても分かるように、あえて分野横断的な事項を問うこともあります。このような出題は、積極的に行っていきたいと思います。また、分野を問わず、時事問題的要素を含む出題も行います。
難易度については、第1回・第2回に比べて、推薦入試は基礎的な問題を多く出題します。また、いずれの入試でも簡単に説明してもらう論述問題を出題することがあります。問いに対する答えを的確に文章で表現できるように練習しておいてください。
なお、地名・人名・事件名などの用語を答える場合は、必ず漢字で解答してください。誤字は言うまでもなく、ひらがなも原則として得点にはなりません。そのため普段からきちんと漢字で書く習慣を身につけてください。
例年、説明会で解説したテーマそのままの問題については正答率が高く、ここは合格のためには落とせない部分となります。また、前回に関していえば、どの入試でも時事問題に関する出題の正答率が高く、よくチェックしていることがうかがえました。差がつくのは、時代や出来事についての理解を問う問題(さらにそれを説明する記述問題)、表・グラフ・資料を読み解く問題、問題文をよく読み「何を聞かれているのか」を把握する問題、時代の並び替え問題、歴史分野での日本の国際関係に関わる問題、そして漢字の正確さです。こういった問題をどれだけ解くことができるかが、合否を分けます。特に、このところの変化として、ただ知識を問うだけの問題で、漢字をきちんと書ける人とそうでない人がはっきりと分かれるようになってきました。漢字を正確に書く人は、その他の問題の正答率も高く、漢字が不正確な人は、その他の問題も解けていません。丁寧に学習する姿勢が、それだけ重要ということでしょう。
説明会会場の講堂です。
2019年度大学入試結果(合格者数)
・国公立大29名(2018年度19名)
東京大1名、東京医科歯科大2名、東京外大1名、東京藝術大2名、東京学芸大1名、千葉大8名、筑波大5名 等
・私立大
早稲田大12名、慶應義塾大7名、上智大13名、東京理科大14名
明治大28名、青山学院大12名、立教大23名、中央大16名、法政大27名、学習院大16名 等
・卒業生数318名
学校説明会の詳細は、 こちら まで。
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