中学入試に役立つ学習法:算数編その1
2022-09-13
カテゴリー:中学入試に役立つ学習法:算数編
算数の基礎力を上げる方法
①算数と数学の違いを認識しましょう
算数は設問に書かれていることを具体化して解く学問、数学は設問に書かれていることを抽象化して解く学問です。わかりやすく例を挙げて説明しましょう。
たとえば「時速6kmで3時間歩いたときの距離は何kmですか。」という設問があったときに、6×3=18で18kmです。「何を当たり前のことを・・・・」と言われそうですが、3×6=18という式では式の意味が成り立ちませんよね。つまり、算数で使われる数値には意味があるため、そういうことを一つ一つ認識しながら、今自分が何をやっているのかを自覚しながら解く必要があります。
ところが、わからない数値を未知数とおいて方程式を用いて解くときには、式を立てるときには意味がある数値であっても、移項その他の計算過程で現れる式と数値にはほとんど意味がありませんよね。だから、小学生に方程式を使って教えることが危険なのです。
もしも方程式による解法(数学)を教えるのならば、同じ設問を線分図や面積図(算数)と方程式(数学)の両方の解き方で解いて、対比させてから、数学の便利さを理解させ、その後しっかりと移項などの計算過程を教え込んでからでないと、小学生は混乱してわからなくなってしまいます。
算数が苦手な生徒には、この「数値の持つ意味」を理解せずに答えだけ出そうとする人が多いのですが・・・・・これがもっと悪化すると、「かけるところを割ったから間違えたんだ。あそこでかければ合っていたのに・・・・・」となり、末期的な症状になると「数字どうしを足すの?引くの?かけるの?割るの?・・・・・どうすれば答えが出るの?」となります。
そういう子は「分速100mで3時間歩いたとき距離は何kmですか。」という問題になると、100×3=300で300kmと答えてしまいます。ですから、算数の「数値の持つ意味」を考えながら解くことは非常に大切なのですが、答えを出すことを急ぐばかりに、今自分が何をやっているのか、何を求めようとしているのかを見失って間違える生徒は数多くいます。
さて、それでは「算数の数値の意味」を常に意識しながら問題を解くには、どうすれば良いのでしょう。答えは簡単。いつも、きちんと式を書き、一つ一つの式を解いて出た答えに「・・・・・兄の分速」などの注意書きを書くクセをつければ良いのです。これが後々、数学ができるようになるためにも必要な概念であることは、言うまでもありませんよね。
確かな計算力は大切ですが、算数の入試問題の大半は計算問題以外の文章題や図形問題ですから、計算ができる子=算数ができる子ではありません。これは、漢字を良く知っている子=国語のできる子ではないのと同じです。ですから、子どもがどの段階でつまづいているのかを認識した上で教えていかないと、とんでもないことになりますから注意してください。
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