中学入試に役立つ学習法:算数編その2
2022-10-11
カテゴリー:中学入試に役立つ学習法:算数編
前回は「算数と数学の違いを認識しましょう」でした。算数で扱う数字には必ず意味があるわけですが、それを把握するためには「単位の概念」は欠かせません。ところが、小学生にとって鬼門なのが単位の換算です。そこで「単位の換算」をするための基本概念をまとめておきます。
算数の基礎力を上げる方法
②「単位の概念」を認識しましょう
世の中にはたくさんの単位があります。もともと単位というのは、身近にあるものの大きさや量を相手に伝えるためのものですから、国や地域によってバラバラに決められていました。ヤードやインチ、ポンドなどは今でもよく耳にしますよね。日本でも、尺や寸など様々な単位が使われていたわけです。
ところが、これだと非常に具合が悪いわけです。地域ごとに単位が異なったり、勝手に単位の大きさを変えられたりすると、大きな誤解を生むことになります。
単位にまつわるおもしろいエピソードをひとつ挙げておきましょう。今日では「一升(しょう)」は1.8リットルを表すことになっていますが、これは江戸時代に定着しました。「升(ます)」というのはもともと米を測るものであり、年貢米つまり税金(だから税という漢字は禾(のぎへん)でできています)を取り立てるための器でした。ところが、より多くの税収が欲しかった江戸幕府は、それまで用いていた升の大きさを5寸×5寸×2.5寸から、4.9寸×4.9寸×2.7寸に変更しました。つまり、たてと横の長さが減って深さが増えただけだから前と同じだろう、と言いたいわけですが、実は容積は3.7%も増えています。「無知な民衆だまし」の一策ですが、セコイ話ですよね。
よりくわしい単位の話については、岩波ジュニア新書の「新版 単位の小事典」に載っていますので、興味のある方はご一読ください。なおエクセレントゼミナールの生徒諸君は、貸し出し用図書の棚にありますから読んでおくと良いでしょう。
話がそれましたが、こういった様々な単位を統一して、もっと合理的でわかりやすい単位にしようという試みが、「メートル法」です。アメリカなどの国では、依然としてヤードやインチなどが日常的に使われていて、「メートル法」が一般的ではないようですが、日本では江戸時代に鎖国をしており、明治時代の文明開化によって急に西洋文化が輸入されたことで、合理的な「メートル法」がすんなりと定着しました。したがって、世界的に統一されてきた単位制度である「メートル法」とそれをさらに進めた「国際単位系(SI)」は、日本では当たり前に使われていますよね。ですから、「メートル法」の単位換算がきちんとできるようになることは、すご〜く大事なことなのです。
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