中学入試に役立つ学習法:社会編その3
2022-11-22
カテゴリー:中学入試に役立つ学習法:社会編
シュサイ:「今日は原始時代について考えてみようか。」
A子:「だいたい、何でそんな大昔のことを勉強しなきゃいきないのよ。」
シュサイ:「見方を少し変えると、原始時代は面白いもんだよ。原始時代っていうのは、人間が生きていくためにどのような工夫をしたかっていうことなんだ。人間が生きていくためには何が必要かな?」
B君:「食べ物とか着る物とか・・・・・衣食住に関するものです。」
シュサイ:「そうだね。まず、旧石器時代は今よりもずっと寒かったわけだ。だから、朝鮮半島は九州や四国・中国地方とつながっていて、もちろん北海道もアジア大陸とつながっていたんだ。だから、いわば日本海が湖のような形になっていて、瀬戸内海なんて存在しなかった。日本は完全にアジア大陸の一部だったんだ。」
C君:「そうなの?」
シュサイ:「そうだよ。だからマンモスの化石などが日本列島の各地で見つかるわけだ。」
C君:「なるほど。」
シュサイ:「旧石器時代は寒かったから、そのころの人間はマンモスなどの大きな獲物を倒さなければ、食べ物も着る物も得られなかった。そして狩りや少ない木の実の採集などをしながら、洞窟などを転々として、いつも移住しなきゃならなかったわけさ。だから、生き残ることが優先される時代には、模様などの装飾をするヒマなんてないし、土器なんて移住するときに荷物になるから作らないわけ。」
B君:「なるほど。ということは、縄文時代は旧石器時代より暖かくなったんですね。」
シュサイ:「そういうこと。暖かくなって氷河が溶けて、海面が上昇して、日本列島が今のような形になったのが縄文時代なんだ。それだけ気候が暖かくなると、ナウマン象などの大型動物がいなくなって、イノシシやシカなどが増えた。そして当然植物も育って、ドングリやクリなどの木の実もたくさん採れるようになったわけだ。近くに食べ物があって、暖かくなれば、わざわざ移住生活をしなくても良くなるよね。だから、いい場所を見つけたら、ここに住もうかという話になって、定住生活がはじまる。いい場所っていうのは、まず水が得やすいところじゃないとダメなんだ。だから、竪穴住居は湧き水の得やすい台地につくられる。そして皆にとっていい場所だから村(集落)ができる。これが縄文時代のくらしさ。」
C君:「ふ〜〜ん。でも、縄文時代って貝を食べていたんだから、海の近くに集落があったんじゃないの?」
シュサイ:「日本列島は、国土の多くが山でしょ。そして少なくて狭い平野に皆が暮らしている。山から川が流れてきて、海に注ぐすこし手前の台地が、海の幸にも山の幸にも湧き水にも恵まれるベストポジションなわけ。」
B君:「クーラーがもっとも効くベストポジションを嫌がるヤツもいるけどね。」
C君:「うるさいなあ。だってクーラーがまともに当たるところは寒いんだぞ。」
B君:「真夏にその言葉を聞きたいものだ。」
シュサイ:「まあまあ。とにかくそうやって人間はやっと定住生活をできたわけ。でも、まだまだ自然に頼る生活だから、食べ物がよく採れるように、子どもがちゃんと無事に生まれるように、土偶(>>詳しくはこちら)をお守りのために作ったといわれているんだ。縄文時代の縄文というのが、土器(>>詳しくはこちら)につけられた縄目の模様だということは知っているだろう?」
一同:「もちろん。」
シュサイ:「土器は木の実や貝を煮たり、水を汲んだり、採集したものを保管するために作られたわけだけど、やっと模様をつけて、自分のモノだというしるしがつけられるだけの生活の余裕ができたということさ。ちなみに、縄文土器を初めて見つけたのは大森貝塚(>>詳しくはこちら)を発見したモース(>>詳しくはこちら)だよ。」
A子:「そうなの?」
シュサイ:「そう。彼は東大の生物学の先生で、貝の専門家だったんだ。だから、横浜から東京に向かう列車の窓から貝塚に気がついたのさ。もともと考古学とか陶磁器にも興味を持っていたらしく、大森貝塚から貝殻、土器、石斧などが見つかったことが、日本の考古学と人類学の幕開けだといわれているんだよ。ちなみにダーウィンの進化論を初めて日本に紹介した人なんだって。」
一同:「へ〜〜。」
シュサイ:「というわけで、時間がきたから今日はここまでにしよう。」
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