中学入試に役立つ学習法:社会編その4
2022-12-20
カテゴリー:中学入試に役立つ学習法:社会編
さて、前回は旧石器時代と縄文時代について書きましたので、今日はその続きになります。
シュサイ:「前回は、旧石器時代と縄文時代を分けたのは気候の変化だよって話だったね。そして、モースが大森貝塚を発見したエピソードなども話したんだったね。そのときに、人が住むには良い水が必要だという話をしたけど覚えているかい?」
一同:「は〜〜い。覚えています。」
B君:「はい。エジプト文明とメソポタミア文明とインダス文明と黄河文明です。」
シュサイ:「さすがB君、休み時間に、マンガ世界の歴史をせっせと読んでいるだけのことはあるね。そう、これらの文明はすべて川の近くに発生しているんだ。ちなみにメソポタミア(>>詳しくはこちら)っていうのはギリシャ語で「川の間の地方」という意味で、チグリス川とユーフラテス川の間に生まれたわけだし、エジプト文明はヘロドトス(>>詳しくはこちら)が「歴史」という著書の中で述べているように、「エジプトはナイルの賜物(たまもの)」なのさ。そしてインダス文明(>>詳しくはこちら)や黄河文明(>>詳しくはこちら)は文字通り、インダス川や黄河の中・下流域で発達したわけだ。そして、これらの文明も塩害とかで土地が悪くなったりしたときには衰退しているんだ。」
C君:「川なのになんで塩があるんだろう?」
シュサイ:「死海って知ってるかい?」
C君:「マツコ・デラックスですか?」
A子:「あんたバカァ? それは司会。」
B君:「お前、わざと言ってるだろう。」
C君:「バレた?」
シュサイ:「あのなあ・・・・・死海(>>詳しくはこちら)っていうのは、アラビア半島にある塩湖(えんこ >>詳しくはこちら)でね、濃度が30%もある食塩水の湖なんだ。海水が3%ぐらいの食塩水であることを考えると、いかに濃いかがわかるだろう。ちなみに人間の赤ちゃんがお母さんのおなかの中にいるときに浸かっている羊水の成分が海水に近いということは良く知られている話だけど・・・・・海水の中のミネラル分、つまり塩分の多くは、土の中の成分が川の水に溶け出したものなんだ。ところが、日本の川と外国の川には大きな違いがあるんだけど・・・・・わかるかな?」
B君:「たしか・・・・・日本の川のほうが急だったような・・・・・」
シュサイ:「正解! 日本の川は山から海までの距離が短かいため、流れが急なんだけど、 そのため地中の成分が溶け出す間もなく海に注いでしまうわけだ。だから、日本では飲料水などの水資源の確保と治水のために多くのダムが必要になる。ところが海外の大きな河川は、流域面積も広くて長いから、川の水に土中の塩分が溶け出す。しかも、それが海に注ぐのではなく、湖に注ぐものがあって、その湖が塩湖になっていくんだ。食塩水の水分を蒸発させると濃い食塩水ができるだろう?そうやってできた塩湖の代表例が死海なのさ。」
C君:「なるほど。」
シュサイ:「そういえば、古代遺跡っていうのは偶然発見されたものがほとんどなんだよ。死海の近くの洞窟から死海文書(>>詳しくはこちら)を発見したのは若い羊飼いだったし、ラスコー洞窟(>>詳しくはこちら)もアルタミラ洞窟(>>詳しくはこちら)も子どもが発見したんだ。シュリーマン(>>詳しくはこちら)がホメロス(>>詳しくはこちら)が「イーリアス」(>>詳しくはこちら)に感動してトロイア遺跡を発見したという、「古代への情熱」に書かれている話はウソらしいけど。」
B君:「大人はウソつきだからなあ。」
シュサイ:「大人には色々な事情があるから、発掘みたいにお金がかかることをするときには、いろいろ問題が起きるみたいだね。いずれにしろ、原始時代を理解するには、社会の知識より理科の知識のほうが必要なんだよ。実際、人間が住む場所を選ぶときには、気候などの自然条件が良い場所に住むから、古代文明の発達した場所は、当時もっとも住みやすい場所だったということなのさ。じゃあ、今日はここまでにしようか。」
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