中学入試に役立つ学習法:理科編その10
2023-05-02
カテゴリー:中学入試に役立つ学習法:理科編
前回は「人体」の感覚器のつくりについて書きました。今回は、循環器(心臓・血管・血液)の構造について書いてみたいと思います。
心臓(>>詳しくはこちら)は臓器の中で最も重要なはたらきをするところです。生まれてから死ぬときまで、途切れることなく動き続ける臓器ですが、では、いったい、人の一生の中でどれだけの血液を体に送り続けるのでしょうか。
ヒトの心臓の心拍数(つまり脈拍です >>詳しくはこちら)は、平均すると1分間に70回程度(安静時)と考えると、1回の拍動で押し出される血液量は60〜90mlですから、ここでは80ml(0.08リットル)とすると・・・・・0.08(リットル)×70(回)×60(分)×24(時間)=8064リットルですから、一日に心臓が送り出す血液量は、一般的なお風呂(200リットルとします)でおよそ40杯にも達します。たった一日でお風呂40杯分の血液を循環させるわけですから・・・・・一生かかったらとてつもない量の血液を送り出すことになります。だから、高等動物ほど心臓のつくりが高等になっているのは当たり前ですね。
さて、心臓から全身に血液を送るには、かなり勢い良く血液を送り出さないと全身に行き渡りませんよね。ですから、心臓から全身に血液を送り出す左心室の壁がもっとも厚くなっています。そしてこれを大動脈と呼びます。また、心臓から肺へ血液を送り出すときにも、強い圧力で押し出します。これを肺動脈と呼びます。ですから、心臓から血液を送り出す血管(大動脈と肺動脈)には弁が無く、血管も厚く丈夫に作られています。しかも、心臓が血液を送り出すたびに、ピクピクと動くわけです。ですからこれを動脈と呼びます。
逆に、全身から二酸化炭素などの不要物を運ぶ血管には、血液が逆流しないように弁がついています。この血管が大静脈で、動脈のように太い血管ではなく、細くて壁の薄い血管になっています。病院で注射などをするときには、この静脈に針を刺すわけです。また、肺から心臓に入る血管を肺静脈と呼びます。
心臓⇒大動脈⇒全身⇒大静脈⇒心臓という血液の流れるルートを体循環(たいじゅんかん、大循環ではないことに注意!)、心臓⇒肺動脈⇒肺⇒肺静脈⇒心臓というルートを肺循環(はいじゅんかん)と呼び、肺静脈と大動脈に流れている血液は酸素を多く含んでいるので赤く(朱色)なります。これを動脈血(どうみゃくけつ)と呼びます。また、肺動脈と大静脈に流れている血液は酸素があまり含まれていないので赤黒い色をしていて、これを静脈血(じょうみゃくけつ)と呼びます。動脈血は鼻血の色、静脈血はかさぶたの色だと思ってください。ちなみに血液の成分である赤血球の中にヘモグロビンという色素が含まれていて、酸素が赤血球と結びつくと赤くなります。
ヒトの血液(>>詳しくはこちら)は、赤血球(せっけっきゅう)・白血球(はっけっきゅう)・血小板(けっしょうばん)・血漿(けっしょう)の4つの成分からできています。赤血球(>>詳しくはこちら)は円盤状の形をしていて、酸素を運ぶはたらきをしています。白血球(>>詳しくはこちら)は、体内に入ってきたバイキンなどを排除するはたらきをしています。バイキンを退治した白血球の死骸が膿(うみ)なわけです。そして、血小板(>>詳しくはこちら)は血液を固める(つまりかさぶたを作る)はたらきをします。血漿(けっしょう >>詳しくはこちら)は血液の液体成分で、血液の55%を占めます。また、血漿の成分のうち91%が水分であり、二酸化炭素や不要物をこれに溶かして運ぶわけです。このように血液は、体全体に酸素や栄養分を運び、二酸化炭素や不要物を回収する役割をしていて、ヒトの体重のうち8%が血液の重さです。
- 住所
- 〒 277-0852 千葉県柏市旭町1-1-2 YK-7ビル5F
- 連絡先
- TEL:04-7148-4619
- 最寄駅
- 柏駅西口(高島屋側)を出て徒歩1分
千葉県柏市の進学塾「エクセレントゼミナール」