中学入試に役立つ学習法:社会編その13(経済の話その5)
2023-06-27
カテゴリー:中学入試に役立つ学習法:社会編
さて、前回は大航海時代の話をしましたが、経済がグローバル化するのはこれ以後になります。さて、どのように世界は変化してきたのでしょうか・・・・・・
シュサイ:「前回は大航海時代の話をしたわけだが・・・・・もともとはインドから香辛料を直輸入するために、ポルトガルとスペインが競争した結果、大航海時代となったわけだ。だから、はじめはコロンブスのアメリカ大陸発見は、重視されなかったんだが・・・・・・それ以後は探検の時代から征服の時代へと変化していった。つまり新大陸の原住民を征服し、そこを植民地としていったわけだ。スペインはインカ帝国やアステカ帝国を滅ぼしたが・・・・・原住民たちがインディオとかインディアンと呼ばれるのは、スペイン語や英語でインド人という意味だからなんだ。ポルトガルとスペインによる新航路開拓と海外領土奪取競争が激化し、他のヨーロッパ諸国も海外進出を始めた。当時のスペインは「太陽の沈まない国」(>>詳しくはこちら)と呼ばれたんだよ。」
C君:「太陽が沈まないって、どういうこと??」
シュサイ:「世界中に植民地があったことを指すたとえだよ。ヨーロッパにある本国で太陽が沈んだとしても、その裏側に植民地があれば、太陽は沈まないでしょ。 世界中に植民地があることと、繁栄している事をかけた言葉なんだ。「太陽の沈まない国」と呼ばれた国は、スペイン帝国(>>詳しくはこちら)とイギリス帝国(大英帝国 >>詳しくはこちら)があって・・・・・世界の覇権はスペインからイギリスへと移っていくことになるんだが・・・・・ここらへんの話は面白いから、少し詳しく見ていくことにしよう。」
A子:「難しそう・・・・。」
シュサイ:「女の子にはあまり興味が無いかも知れないけど・・・・・帝国の興亡の歴史は、面白いよ。実際、ガンダムしかり、スターウォーズしかり、帝国の興亡の歴史が下敷きとなっているストーリーは多いからね。」
C君:「ダースベーダーが出てくるの?」
B君:「聞いたことがあるな。」
シュサイ:「ネルソン提督はフランス革命のときのコルシカ攻略戦で片目を失い、カナリア諸島の戦いで右腕を失っていて、隻眼隻腕のイギリス海軍提督として有名なんだ。そして、イギリスとスペインが覇権を争ったトラファルガーの海戦で、勝利したけれども・・・・・敵の狙撃手に撃たれて、艦上で戦死したんだ。そして、そのとき遺した言葉が「神に感謝します。私は義務を果たしました。」というものだったそうだ。」
B君:「う〜〜ん。ドラマだなあ。」
シュサイ:「さて、話を元に戻そう。大航海時代の後、16世紀中頃〜17世紀前半はスペインが最も繁栄した時代で「黄金の世紀」と呼ばれる。なぜこんなに発展したかというと・・・・・南米のボリビアに世界有数の銀の埋蔵量を誇るポトシ銀山が見つかり、スペインが開発したからなんだ。ポトシ銀山を発見し、インディオたちに強制労働させて、安価な銀を大量に採掘した。そして、その銀をヨーロッパに運び、その銀でアジアから香辛料や綿や絹を購入した。つまり、大航海時代⇒大陸の発見⇒貿易独占政策によりポルトガルが、ついでスペインが富強となる、という流れなんだ。メキシコ・ペルーの征服は莫大な金・銀・宝石類をスペインにもたらした。ところが、この銀が大量にもたらされたことで、当時の重要国内産業である毛織物工業をおろそかにした。ところがそのうちネーデルラントで独立運動が起こって、これによって膨大な戦費を使うハメになったスペインは斜陽化するんだ。」
シュサイ:「そう。ネーデルラントは低地地方という意味で、現在のベルギー・オランダ・ルクセンブルクを合わせた地域、つまりベネルクス三国のことだと思って良いよ。さて、このあたりの話はかなり政治的・宗教的にもいろいろあるので省いて・・・・・無敵艦隊の話とトラファルガーの海戦の話に行きたいんだけど・・・・・時間が無いから次回にしよう。」
というわけで、次回はあまり経済の話とは関係ないのですが、個人的に好きなところなので、スペインVSイギリスの話とトラファルガーの海戦の話をしたいと思います。それでは、また。
- 住所
- 〒 277-0852 千葉県柏市旭町1-1-2 YK-7ビル5F
- 連絡先
- TEL:04-7148-4619
- 最寄駅
- 柏駅西口(高島屋側)を出て徒歩1分
千葉県柏市の進学塾「エクセレントゼミナール」