2023-01-31
カテゴリー:中学入試に役立つ学習法:理科編
前回、
動物についての第1回として
節足動物について書きましたが、
中学入試で圧倒的に出題されるのは、昆虫に関する問題です。これは、現在生存している種の半分以上が昆虫だからです。そこで数回にわたり、
昆虫に関して詳しく見ていくことにします。(>>
詳しくはこちら)
まず、
昆虫の分類のしかたについて見てみましょう。昆虫を分類するときには、
翅(はね)に注目して分類します。(>>
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①カブトムシの仲間(鞘翅目:しょうしもく >>詳しくはこちら)・・・・・甲虫と呼ばれる昆虫で、飛ぶときに使う本来の後翅(うしろばね)が鞘(さや)である硬くなった前翅(まえばね)の内側にしまわれているところから、鞘(さや)の翅(はね)を持つ種類として分類されています。
②
チョウやガの仲間(鱗翅目:りんしもく >>
詳しくはこちら)・・・・・
チョウや
ガは翅(はね)に
鱗粉(りんぷん)や毛で覆われています。チョウやガの翅の色がキレイな色をしているのは、この鱗粉のためで、雨などの水をはじくようになっています。ちなみに、チョウやガの鱗粉をすべて筆とかを使って落としてしまうと・・・・・ほとんど
透明な羽だけが残ります。つまり、
翅(はね)に鱗粉で化粧している種類ということです。
③
ハエ・カ・アブの仲間(双翅目:そうしもく >>
詳しくはこちら)・・・・・本来、昆虫は
前翅(まえばね)と
後翅(うしろばね)の
4枚の翅(はね)を持つのが普通ですが、
ハエ・カ・アブの仲間では
後翅が退化してしまい、
見た目には翅が2枚しかないように見えるので、この名前がついています。
⑤
セミの仲間(半翅目:はんしもく >>
詳しくはこちら)・・・・・
口の形が針状になっているのが特徴です。翅の根元に近い半分が固く、先のほうの半分が柔らかいために、半分の翅(はね)を持つ種類という意味で半翅目(はんしもく)という名前がついています。
⑧
カマキリの仲間(蟷螂目:とうろうもく >>
詳しくはこちら)・・・・・
蟷螂(とうろう)という字は「
かまきり」とも読まれる字ですが、故事成語では
「蟷螂の斧(とうろうのおの)」として有名です。
卵の形での冬越しや、
メスがオスを交尾後に共食いするという現象で有名です。
⑨ゴキブリの仲間(ゴキブリ目)・・・・・画像リンクはつけませんでした。知らない人はいませんよね。
上記の9つの分類のうち、⑧や⑨は次回で解説する
変態法についての説明に必要なので分けています。
予習シリーズなどでは、
カマキリや
ゴキブリを
バッタ・
コオロギの仲間に入れて
7つに大別しています。昆虫は、
目(もく)レベルだと本来ならもっとたくさんの種類に分類されますが、
①〜⑦が種類の多いグループだと思ってください。
生物を分類する(>>
生物の分類について)ときには、大きな方から、
界・
門・
鋼・
目・
科・
属・
種(かい・もん・こう・もく・か・ぞく・しゅ)と分けて行きますので、①〜⑨の
目(もく)という字は、
項目(こうもく)の目(もく)だと思ってください。では、今日はここまでにします。
2023-01-24
カテゴリー:中学入試に役立つ学習法:算数編
今日は素数の見つけ方についてです。素数は「1とその数以外の約数を持たない数」のことですが、ここをきちんと学習しないと算数でも数学でもつまづいてしまいます。ところが学習指導要領の改訂によって、以前は中1で学習していた素因数分解が、今は中3で学習することになってているため、こういった基本的なことを知らない中学生が多数存在します。そういう意味で、お父さんやお母さんが習っていた頃よりもずっとカリキュラムが易しくなっていますので、こうしたことが日本の数学力が落ちている一因ではないかと、私はつねづね思っています。
(2)素数の見つけ方について
素数を小さいほうから並べると
2,3,5,7,11,13,17,19,23,29,31,37,41,43,47・・・・・
と続きます。これらを求めるには、エラトステネスという大昔のギリシャ人が発明した「エラトステネスの篩(ふるい)」を使います。
たとえば、1〜100までの数に含まれる素数を求めてみましょう。
まず、1〜100までの数を書き並べます。次に、1〜100の中で1は素数ではありませんから消します。
すると、残った数の中で最初の数は2ですから、2は素数です。次に残っている3〜100の中で2の倍数を消します。
すると、それでも残っているもっとも小さい数は3ですから、3は素数です。さらに残った数から3の倍数を消します。
すると
5、7,10,11,13,17,19,23,25,29,31,35,37,41,43,47,49,53,55,59,61,65,67・・・・・
が残っているはずです。
ですから、残っている数で最も小さい5は素数です。そして、残っている数から5の倍数を消しても残る数のうち最も小さい数は7ですから、7は素数です。このように次から次へと整数を素数の篩(ふるい)にかけていくと、残った数が素数の集合になります。ですから1〜100までの数のうち素数は
2,3,5,7,11,13,17,19,23,29,31,37,41,43,47,53,59,61,67,71,73,79,83,89,97になります。
これらの素数は、計算の基礎になる大事な数ですから、少なくとも50以内の素数は暗記しておきましょう。というわけで、次回は「約数の個数」について書いていきます。では、また。
2023-01-17
カテゴリー:中学入試に役立つ学習法:社会編
前回は世界四大文明についての話でした。今回は日本歴史に戻って原始時代の話の続きです。
シュサイ:「前回は
世界四大文明について話をしたんだったね。さて、
日本歴史の時代区分として一番一般的なのが、
旧石器時代・
縄文時代・
弥生時代を
原始時代とする分け方だけど、
縄文時代と
弥生時代(>>
詳しくはこちら)の
大きな違いは何だったっけ?」
B君:「稲作の発達です。」
シュサイ:「そうだね。
縄文時代は
旧石器時代に比べて
暖かくなったけれど、
狩猟生活が主だったため、食物の保存がきかなかった。ところが
稲作が普及したことで、食物の保存がきくようになった。
湿気やネズミから米を守るために
高床式倉庫(たかゆかしきそうこ
>>詳しくはこちら)が作られたのはよく知られるところだね。ところが、蓄財ができるということは必ずしも良いことばかりじゃないんだ。なぜなら
貧富の差と身分の差が広がることで、
戦争が起きるからね。ちょうど
稲作の伝来と同時期に
金属器も伝えられたことが、これに拍車をかけることになったわけだ。」
A子:「なるほどね。」
B君:「それはお前の字が汚いからだろう。オレも人のこと言えないけど。」
シュサイ:「三人とも字が汚いからなあ。」
一同:「・・・・・。」
一同:「は〜〜い。」
2023-01-10
カテゴリー:中学入試に役立つ学習法:理科編
「生物編の植物」についての基礎力を上げる項目に関しては、理科編のその1〜その4で説明したので、次は動物の分類について書いてみたいと思います。植物については、植物のからだのつくりや光合成のしくみなど、まだまだ話をしなければいけないことが多いのですが・・・・・それらは応用編にまわすことにします。
さて動物の分類についても、植物の場合と同様にいくつかの分類法があるのですが、ここで扱うのは、中学入試で一般的な分類法です。
まず、
動物を背骨があるもの(セキツイ動物)と
背骨が無いもの(無セキツイ動物)に分けます。すると、
背骨が無い動物というのは、
イカやタコや貝類、そして
昆虫などの節足動物になるのですが、
中学入試で扱われる内容は、節足動物のみ(特に昆虫)になります。今日は、この
節足動物(>>
こちらを参照)についてみていきましょう。
節足動物は読んで字のごとく、
足に節がある動物のことです。
エビや
カニを食べるときに足がどのようになっているか注意して見てみましょう。
節足動物は足の数によって、昆虫類(足の数が6本)、クモ類(足の数が8本)、甲殻類(足の数が10本他)、多足類(足の数が1体節ごとに2本)の4種類に大別できます。昆虫に関してはもっと詳しく別の回で解説しますが、すべての昆虫は、体が頭部(あたま)・胸部(むね)・腹部(はら)の3つに分かれ、6本の足が胸部(むね)から出ています。
クモ類に分類されるのは、クモ・ダニ・サソリで、体が頭胸部(あたまむね)と腹部(はら)の2つに分かれ、8本の足が頭胸部(あたまむね)から出ています。
甲殻類(>>
こちらを参照)に分類されるのは、エビ・カニ・
ミジンコ(>>
ミジンコについて)などで、体が
頭胸部と
腹部の
2つに分かれているか、頭部と
胸部と
腹部の
3つに分かれている。
10本の足が 頭胸部(あたまむね)や胸(むね) から出ています。 ここからわかるように、
エビや
カニの
ハサミは手ではなくて足であることに注意しましょう。なお、足の本数は10本以外のものもおり、14本の足を持つ
ダンゴムシ(>>
ダンゴムシについて)も甲殻類に含まれます。 また、
プランクトンというのは小さな生物の総称ですから、
ミジンコが甲殻類であることも頭に入れておきましょう。
最後に、
多足類に分類されるのは、
ムカデ(>>
ムカデについて)・
ヤスデ(>>
ヤスデについて)・などで、体が
頭部(あたま)と
胴体(どうたい)の
2つに分かれ、
胴体の一つの体節(たいせつ)ごとに1組(2本)の足が出ています。
なぜ節足動物を最初に扱ったのかというと、現在の動物種の85%以上が節足動物だからです。もちろんこの節足動物の中で中学入試に出題されるのは、ほとんど昆虫に関してなのですが、無脊椎動物の中では節足動物だけをおさえておけば、良いといえます。次回は昆虫について、詳しく見ていくことにします。それでは、今日はここまで。
2023-01-03
カテゴリー:中学入試に役立つ学習法:算数編
今日は「計算」についての続きです。今回は分数の計算についてですが、分数は慣れると一番「楽ができる」計算法ですから、計算のコツについて詳しく書いていきたいと思います。
③「分数の計算」を間違えたときの注意点
分数の計算を間違える理由にはいろいろありますが、主な理由は「約分と通分」がヘタなため、つまり「約数と倍数」がすぐに見分けられないことに原因がある場合が多々見られます。そこで、「約数と倍数」の話に寄り道したいと思います。
(1)倍数の見つけ方について
2の倍数系列
2の倍数・・・・・下1ケタが0,2,4,6,8など2の倍数になっている(0倍を含みます)
4の倍数・・・・・下2ケタが00,04,08・・・・・92,96など4の倍数になっている(0倍を含みます)
8の倍数・・・・・下3ケタが000,008,016,024・・・・・992など8の倍数になっている(0倍を含みます)
16の倍数・・・・・下4ケタが0000,0016,0032・・・・・9984など16の倍数になっている(0倍を含みます)
3の倍数系列
3の倍数・・・・・各位の数字の和が3の倍数になっている
9の倍数・・・・・各位の数字の和が9の倍数になっている
その他の倍数系列
5の倍数・・・・・下1ケタが0か5の5の倍数になっている(0倍を含みます)
7や11や13の倍数の見分け方というのも存在するのですが、それらは6ケタや7ケタの整数を判別するために使う方法で、大学入試レベルの整数の話になってしまうため、ここでは扱いません。ちなみに3や9の倍数の見つけ方は、難関高校(早稲田や慶応)の数学の入試問題では証明問題として出題されることもありますから、中学入試でも上位校の受験を考えている生徒は、なぜそうなるのかという理由も含めて理解しておく必要があります。
きりが良いので、今日はここまでにして、次回は(2)素数の見つけ方について、その次は(3)約数の個数の見つけ方について、と「約数と倍数」についての話を続けます。ほとんどウェブ授業のようになってきましたが、役に立つ話ですからガマンして読んでくださいね。それでは、また。