中学入試に役立つ学習法:算数編その6
2023-01-24
カテゴリー:中学入試に役立つ学習法:算数編
今日は素数の見つけ方についてです。素数は「1とその数以外の約数を持たない数」のことですが、ここをきちんと学習しないと算数でも数学でもつまづいてしまいます。ところが学習指導要領の改訂によって、以前は中1で学習していた素因数分解が、今は中3で学習することになってているため、こういった基本的なことを知らない中学生が多数存在します。そういう意味で、お父さんやお母さんが習っていた頃よりもずっとカリキュラムが易しくなっていますので、こうしたことが日本の数学力が落ちている一因ではないかと、私はつねづね思っています。
(2)素数の見つけ方について
素数を小さいほうから並べると
2,3,5,7,11,13,17,19,23,29,31,37,41,43,47・・・・・
と続きます。これらを求めるには、エラトステネスという大昔のギリシャ人が発明した「エラトステネスの篩(ふるい)」を使います。
たとえば、1〜100までの数に含まれる素数を求めてみましょう。
まず、1〜100までの数を書き並べます。次に、1〜100の中で1は素数ではありませんから消します。
すると、残った数の中で最初の数は2ですから、2は素数です。次に残っている3〜100の中で2の倍数を消します。
すると、それでも残っているもっとも小さい数は3ですから、3は素数です。さらに残った数から3の倍数を消します。
すると
5、7,10,11,13,17,19,23,25,29,31,35,37,41,43,47,49,53,55,59,61,65,67・・・・・
が残っているはずです。
ですから、残っている数で最も小さい5は素数です。そして、残っている数から5の倍数を消しても残る数のうち最も小さい数は7ですから、7は素数です。このように次から次へと整数を素数の篩(ふるい)にかけていくと、残った数が素数の集合になります。ですから1〜100までの数のうち素数は
2,3,5,7,11,13,17,19,23,29,31,37,41,43,47,53,59,61,67,71,73,79,83,89,97になります。
これらの素数は、計算の基礎になる大事な数ですから、少なくとも50以内の素数は暗記しておきましょう。というわけで、次回は「約数の個数」について書いていきます。では、また。