塾対象説明会レポート:国府台女子学院中学部
2018-08-17
カテゴリー:塾対象説明会レポート2018
国府台女子学院中学部は、千葉県市川市にある仏教系(浄土真宗本願寺派)の学校で、千葉県では数少ない女子校の一つです。付属の小学校もあり、また高校からの募集も行っています。校舎は京成本線市川真間駅から徒歩5分のところにあります。大正15年(1926年)創立、今年で93年目になります。
図書館です。
2017年度より、「情報リテラシー」の授業が新設されました。「情報リテラシー」の授業は、国語科目の1つとして、中1〜中3次に週1時間行っています。検索端末の使い方や本の分類など図書館の利用法を学び、自分の考えをしっかりと書く力を養うことのできるカリキュラムを用意しています。また、「クリティカルシンキング」のテキストを使い、物事を多角的に考える力も伸ばします。「アクティブラーニング」形式を取り入れた双方向型の授業を展開し、グループでの発表やディスカッションを通じて将来に活きる力をつけます。
国府台女子学院のクラス編成ですが、中3で国公立大や難関私立大を目指す選抜クラスを1クラス編成します。
高1では、普通科と英語科に分かれます。普通科は中3から継続する「選抜Aクラス」と高校から新たに編成する「選抜Bクラス」と「普通クラス」、そして「美術・デザインコース」があります。
高1の1月末に「コース判定テスト」を実施し、学力達成度と希望により、高2からのコースを決定します。
高2・3では、普通科は、以下の6つのコースに分かれます。
①「選抜理系コース」
②「選抜文系国立コース」
③「選抜文系私立コース」
④「進学理系選択コース」
⑤「進学文系選択コース」
⑥「美術・デザインコース」
2018年度中学入試結果について、受験者数は推薦入試が136名(37名減少)、第1回入試が721名(9名減少)、第2回入試が91名(10名減少)と全ての回で減少しました。合格者数は推薦入試が67名(1名減少)、第1回入試が431名(14名増加)、第2回入試が18名(8名減少)となりました。実質倍率は推薦入試が2.0倍(―0.5)、第1回入試が1.7倍(―0.1)、第2回入試が5.1倍(+1.2)となりました。
合格最低点(推薦は300点満点、第1回・第2回は320点満点)は、
推薦 178点(2017年度 167点)
第1回 206点(2017年度 196点)
第2回 226点(2017年度 186点)
となりました。
2019年度中学入試は特に変更はありません。推薦入試合格者には1月21日の第1回入試を必ず受験していただきます。試験結果は合否には関係ありませんが、受験しないと内定取り消しになりますのでご注意ください。
2018年度大学入試の合格者数は、国公立大が東京大1名、京都大1名、一橋大2名を含む18名(現役14名)で、昨年度より4名減少となりました。私立大は、早慶上理が合計で59名、GMARCHが合計で121名でした。ここ最近は理系へ進む生徒が増えていて、医学部医学科は8名合格で、4名進学しました。また、高校には「美術・デザインコース」がありますので、美術系の大学に進む生徒も多くいます。尚、四年制大学への現役進学率は、88.3%でした。
ちなみに、エクセレントゼミナールの生徒の国府台女子学院中学部の累計合格実績は82%(11名受験9名合格)です。
正門です。
2018年度中学入試結果
推薦入試 12/1
志願者数 136名(2017年度 173名)
受験者数 136名(2017年度 173名)
合格者数 67名(2017年度 68名)
第1回入試 1/21
志願者数 756名※1(2017年度 779名※1)
受験者数 721名(2017年度 730名)
合格者数 431名※2(2017年度 417名※2)
※1 第1回入試の応募者数には推薦非内定者が含まれています。(2018年 69名、2017年 105名)
※2 合格者数には推薦内定者は含まれていません。
第2回入試 2/5
志願者数 103名(2017年度 118名)
受験者数 91名(2017年度 101名)
合格者数 18名(2017年度 26名)
合格最低点(推薦は300点満点、第1回・第2回は320点満点)
推薦 12/1 178点(2017年度 167点)
第1回 1/21 206点(2017年度 196点)
第2回 2/5 226点(2017年度 186点)
受験者平均点
推薦(国語100点、算数100点、社会50点、理科50点)
国語61.6点、算数51.7点
社会28.5点、理科30.1点
一般(国語100点、算数100点、社会60点、理科60点)
第1回
国語58.4点、算数64.2点
社会42.1点、理科36.8点
第2回
国語66.9点、算数51.3点
社会36.2点、理科35.9点
合格者平均点
推薦(国語100点、算数100点、社会50点、理科50点)
国語67.3点、算数67.4点
社会33.8点、理科34.4点
一般(国語100点、算数100点、社会60点、理科60点)
第1回
国語64.6点、算数77.3点
社会46.8点、理科42.7点
第2回
国語77.8点、算数74.4点
社会44.1点、理科47.8点
各科目から
国語
①推薦入試
平均点は61.6点。試験内容は、例年と同様、難易取り混ぜた知識問題、ヒントに従って考える問題、短めの文章題(文学的文章)を出題しました。漢字の読み書きなど基礎的な問題はよく出来ていましたが、問2では問題の意味を誤って解釈して解答している答案や、問9では算用数字で答える問題に漢数字で答えるなど、指示通りに解答できていない答案が目立ちました。また、問17や問21のように日常で語感を大切にしていることが求められる問題にも苦戦したようです。基礎的な慣用表現や外来語に関する問題にも誤答が多く見られました。文章題は会話の中で使用された語句についての考察で、語句に関する正しい知識と感覚が身についていなかった受験生には難しく感じられたかもしれません。
②第1回入試
平均点は58.4点。問題の構成は、推薦入試と同様の問題(小問集合)を約40点、長文問題(説明的文章)を約60点として出題しました。小問集合では問3や問5のような表現の問題で誤答が目立ちました。長文問題は、「国家」について述べた文章で、小学6年生の受験生にとっては読解が難しい内容でしたが、設問の要点をよく捉え的確に解答できている答案も少なくありませんでした。一方、問題の指示通りに解答できていなかったり、本文中の語を書き抜いて答える問題で表記を誤るなど、不注意による失点も目立ちました。多くの練習を積み、時間配分を考えて、落ち着いて解答する習慣が身につくように努力してほしいと思います。
③第2回入試
平均点は66.9点。問題の構成は第1回と同様です。小問集合は本校独自の出題形式であるためか、準備の不十分な答案が多く見られました。問13「おこがましい」を用いる短文問題は正答率が3割程度と低く、日頃から多様なことばに触れ、実践的に使用することの必要性を感じました。長文問題は受験生と同年代の登場人物の設定で、身近に感じられたためか充分な正答率であったと言えます。
算数
①推薦入試
出題内容は大問5題の構成で、整数・小数・分数の四則混合計算問題、短い文章形式の計算穴埋め問題、解法の経過を考えさせる問題、図形を利用した計算問題、グラフから数値を読み取る問題に分かれています。最初の四則混合計算問題は正答率が他の問題よりも高く、ほとんどの受験生が得点しています。それ以降の問題では、特殊算を出題していますので、代表的な問題を繰り返し解き、理解度を高めておくことが必要です。
平均点は51.7点。問1の四則混合計算問題は形式を変えていませんが、(3)の空欄に当てはまる数を求める逆算の問題については、内定者、非内定者の差が大きくなりました。問2の特殊算を使った1行問題は、つるかめ算、年齢算などの代表的なものを出題しましたが、(5)の仕事算の問題においては、内定者、非内定者の差が大きかったです。問題をきちんと読み取ることができなかったことが原因ではないかと思います。また、(6)の速さの問題は、全体的に正答率が低くなりました。問3(1)の計算結果の穴埋め問題は、ニュートン算を出題しました。穴埋めにしたことで、スムーズに解くことができたようですが、(オ)の時間換算に関しては正答率があまりよくありませんでした。(2)の記述問題には平均に関する問題を出題しましたが、全般的によく書けていたと思います。問4の図形問題は、全体的に内定者、非内定者の差が大きくなりました。特に(1)は、差が大きく、図形の基本的な性質の定着ができているか否かがとてもはっきりした問題でした。(3)の立体図形の問題は、工夫をすれば時間をあまりかけずに解ける問題でしたが、時間がかかり、計算に苦戦してしまった受験生もみられました。問5のグラフ問題では、非内定者においては、(1)で誤り、(2)以降手がつけられなかった受験生が多かったようです。各設問の正答率は、大問1 67%、大問2 62%、大問3 71%、大問4 28%、大問5 24%でした。
②第1回入試
出題形式は推薦入試とほぼ同じです。
平均点は64.2点。問1の四則混合計算問題は高い正答率でした。問2の特殊算を使った一行問題は、(4)の速さの問題は全体的に正答率があまり良くありませんでした。問題から2人の位置関係を読み取り、立式をするのに苦戦してしまったようです。また、(5)の食塩水の問題では、内定者、非内定者の差が大きくなりました。問3の経過を見る問題については、記述問題を含めてよくできていたと思います。問4では、(3)の問題で、展開図から組み立てた立体がイメージしにくく解きづらかったようです。問5のグラフ問題は、推薦同様、内定者、非内定者の差がとても大きくなりました。各設問の正答率は、大問1 85%、大問2 60%、大問3 78%、大問4 49%、大問5 53%でした。
③第2回入試
出題形式は推薦入試とほぼ同じです。
第2回入試は平均点が49.0点。問2のニュートン算の問題は、内定者、非内定者の差が大きかったです。問3に関しては、全体的に出来が良かったのですが、特に(2)の記述問題は、内定者全員が正解し、きちんとした答案が書けていました。問4の(3)は、立体の切断の問題でしたが、正答率が低かったです。問5のグラフ問題は、推薦、第1回同様に差が広がりました。各設問の正答率は、大問1 70%、大問2 48%、大問3 59%、大問4 36%、大問5 39%でした。
理科
①推薦入試
問題数は大問4問です(50点満点、総問題数は25問)。大問1は物理・化学・生物・地学の4分野の小問集合で8題出題しました。おもに4〜5個の選択肢の中から正答を選ぶ問題でしたが、正答率は「二酸化いおう」を選ぶ問題が一番高く、星の動きの問題が低くなりました。大問2の生物分野は植物の光合成と呼吸に関する問題で、基礎的な内容はよくできていましたが、光合成と呼吸による気体の量の変化の正答率が低くなりました。大問3は地学分野の気象に関する問題で、普段からテレビの天気予報などに興味を持って見ている受験生ほど多くの正解が導けたようです。大問4は物理分野で、ふりこに関する内容でした。物理分野は正答率が低くなる傾向がありますが、今回は問題に与えられた表から答えを導く問題などでも正答率が50%を超えました。また、物理分野は得意不得意が分かれる分野でもあり、合否の正答率の差が大きくなりました。各設問の正答率は、大問1 57%、大問2 62%、大問3 66%、大問4 57%、平均点は30.1点でした。
②第1回入試
出題分野は昨年と同様で問題数は大問5問です(60点満点、総問題数は30問)。大問1は理科4分野の小問集合で、すべて選択肢から選ぶ問題から出題しました。基本的な内容を多く出題したので、全体的に正答率が高くなりました。(8)の熱伝導率の問題は受験生にとって難しかったようです。大問2の生物分野はじん臓に関する問題で、「イヌリン」という聞き慣れない物質が出てきたこともあり、正答率が低くなりましたが、「肝臓」を答える問題で合否の差が大きくなりました。大問3の化学分野は、銅とマグネシウムの酸化による量的関係を出題しました。与えられた結果から比例関係をきちんと読み取れた受験生が多く、正答率が高くなりました。大問4の地学分野は太陽の動きに関する問題でした。太陽の動きによって変化する棒の影の動きなど、標準的な問題を多く出題しましたが、春分の日に関する出題で合否の差が大きく、正答率は低くなりました。大問5の物理分野は浮力の問題でしたが、得意不得意の差がはっきりと表れる結果となりました。基本的な浮力の考え方が理解できていなかったようです。各設問の正答率は、大問1 66%、大問2 49%、大問3 80%、大問4 57%、大問5 50%、平均点は36.8点でした。
③第2回入試
出題形式は第1回(60点満点)と同様で、総問題数は31問でした。大問1は理科4分野の小問集合を選択肢から選ぶ問題を6問、ことばで答える問題を2問出題しましたが、いずれも正答率が高くなりました。大問2の生物分野は、食物連鎖についての内容でした。条件の変化による個体数の変動など、与えられた条件から答えを導く問題もよくできていました。大問3の化学分野は気体に関する問題で、気体の性質などをきちんと覚えている受験生が多く、全体的な正答率が高くなりました。単純な計算問題はよくできていましたが、条件が複数ある計算問題で合否の差が大きくなりました。大問4の地学分野は様々な内容の一問一答の出題形式でした正しいものに○をつけるモンダイの正答率は全体的に高いものの、間違っているものを正しいことばで答える問題で合否の差が出ました。大問5の物理分野は加熱による水の状態変化に関する問題で、熱量の考え方を使って解く内容の出題でしたが、全体的な正答率が低く、また合否の差も大きくなりました。各設問の正答率は、大問1 63%、大問2 68%、大問3 74%、大問4 71%、大問5 33%、平均点は35.9点でした。
社会
①推薦入試
社会と理科合わせて50分、配点は各50点満点です。各問のテーマは直前の説明会で伝えました。
【地理】富山県の地理をテーマに出題しました。特に、差がついたのは、東京―富山間の山脈を答える問題、地図中の距離を求める問題、対馬海流を答える問題、でした。
【歴史】日本史の中の天皇をテーマに出題しました。特に合格者の得点率が高かったのは、歴史上の事件が起こった場所を問う問題、平清盛が貿易を行った中国王朝の正誤を問う問題、「尊王攘夷」を言葉の意味から選ばせる問題。天皇の国事行為を問う問題、でした。
【公民】日本国民の権利について出題しました。差がついた問題は、憲法の本文を問う問題でした。とはいっても、丸覚えを要求する問題ではなく、問題をよく読んで、その意味をとらえて答えて欲しいものでした。例えば、「公共の福祉」を答える問題は、その前に、他人の権利とぶつかりあえば個人の権利が制限されることもある、というような文があります。正解者にとっては、その部分から解答を導き出すことは容易だったでしょう。各設問の正答率は、地理59.6%、歴史57.9%、公民49.4%で、平均点は28.5点でした。
②第1回入試
第1回・第2回入試ともに、30分間で配点は60点満点です。
【地理】第1回入試恒例となっている紀行文を今年も出題しました。今回は千葉から福島への旅行を主題としています。リード文は福島への紀行文としながらも、外国人観光客、資源、歴史など、設問は多岐にわたるようにしました。その分、出題内容は基本的な事柄を多くしましたが、結果的に大問全体で正答率は高くなりました。
【歴史】商業史をテーマに出題しました。大きく差がついた問題は、「風土記」を答えるもの、日本史上の中国・朝鮮半島との関係について、江戸時代の出来事の並べ替え問題、でした。毎回、国際関係と出来事の時代順並び替え問題は特に差が付きやすい問題です。
【公民】日本国憲法改正についてをテーマに出題しました。特に差がついたのは「集団的自衛権」を答える問題、「新しい権利」についての問題、国会の仕組みについての正誤問題、でした。近年の政治的出来事の動向については、積極的に出題していくつもりでいます。また、国会や選挙をはじめ、政治の「仕組み」を理解できているかどうかも毎回、差が付きやすい問題です。各設問の正答率は、地理65.3%、歴史71.0%、公民74.3%で、平均点は42.1点でした。
③第2回入試
第2回入試は、テーマを事前に公開しません。
【地理】クロスワードパズルを元に問題に答える形式の出題でした。設問内容自体は基本的な事柄を聞いているので、設問全体で得点できている人は高い正答率を出しており、大きく差がついた大問でした。特に、都道府県の形を問う問題は差が顕著でした。
【歴史】日本の医療史をテーマに出題しました。リード文が、現代から古代へさかのぼっていく記述になっており、そこで惑わされなかったどうかもポイントだったかもしれません。中でも差がついたのは、北里柴三郎を答える問題、日本の高齢者人口の割合を問う問題、第二次世界大戦の国際情勢、享保の改革、室町幕府の説明についての正誤問題でした。いずれも、高齢者人口が時事的な要素がある以外は、基本的な事項を問う出題であったと思います。
【公民】衆議院議員選挙を経て発足した、安倍新内閣の閣僚名簿をもとにした出題を行いました。特に差がついたのは、「議院内閣制」を答える問題、内閣総理大臣の就任について、国会と天皇の役割を問う問題、内閣の構成員の条件についての問題、日本の行政組織についての問題、であり、やはり政治の仕組みを理解しているかどうかが分かれ目になりました。各設問の正答率は、地理65.5%、歴史55.8%、公民58.2%で、平均点は36.2点でした。
中庭です。
学校説明会の詳細は、 こちら まで。
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