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中学入試に役立つ勉強法:理科編その7

2023-02-21

カテゴリー:中学入試に役立つ学習法:理科編,

 前回は昆虫の分類について書きました。今回は、昆虫の変態について(>>詳しくはこちら)書いてみたいと思います。
 昆虫は、大別すると卵⇒幼虫⇒蛹(さなぎ)⇒成虫の順に完全変態するもの、卵⇒幼虫⇒成虫の順に不完全変態するもの、卵⇒成虫の順に無変態のものの3種類に分けられます
 卵が幼虫になることを孵化(ふか >>孵化について)、幼虫が蛹(さなぎ)になることを蛹化(ようか >>蛹化について)、蛹が成虫になることを羽化(うか >>羽化について)と呼びます。
 完全変態する昆虫は、前回の昆虫の分類で①〜④にあたるものです。不完全変態する昆虫は⑤〜⑨にあたるものです。無変態の昆虫は、シミ(>>シミについて)ぐらいを覚えておけば良いでしょう。
 つまり、無変態シミ不完全変態セミ・トンボ・バッタ・カマキリ・ゴキブリ完全変態その他と覚えましょう。
 
 さて、これで中学入試で出題される、昆虫に関する概説部分が終わりました。あとは、特に出題される昆虫として、以下については、個別に特徴を覚えておいてください。
 
モンシロチョウ(>>詳しくはこちら)・・・・・幼虫アオムシ(>>アオムシについて)と呼ばれ、アブラナ科(>>アブラナ科について)の植物を食草(しょくそう)とします。卵から孵化した幼虫を1齢幼虫と呼び、4回脱皮して5齢幼虫(ごれいようちゅう)になります卵のカラ脱皮した皮も、一番身近にあるタンパク質ですから、幼虫はすぐにそれを食べます。ですから、脱皮した皮が見つからないわけです。年に2〜7回ほど発生するため、春や秋にはよく見られます。アオムシコマユバチについても出題されることがありますので、覚えておきましょう。
 
カイコ(>>詳しくはこちら)・・・・・孵化したばかりの幼虫ケゴと呼ばれ、クワの葉だけを食草とします。養蚕のもとになる繭(まゆ)の糸を紡績したものが絹糸です。カイコ飛べないガであり、野生には生息しないことを覚えておきましょう。
 
アゲハ(>>詳しくはこちら)・・・・・アゲハチョウ目(もく)の総称ですが、中学入試で出題されるアゲハはほとんどナミアゲハ(>>ナミアゲハについて)のことを指します。ミカン科の葉を食草とするため、ミカン・カラタチ・サンショウなどの植物に卵を産みます。イモムシ(>>イモムシについて)というのは、チョウ幼虫のことを指しますが、アゲハ5齢幼虫(緑色)を思い浮かべる人も多いでしょう。
 
 というわけで、昆虫に関して冬越しの姿なども出題されますので、参考書や問題集に出てきた昆虫については、図鑑やインターネットなどを利用して調べるクセをつけておきましょう。それでは、今日はここまでにします。

中学入試に役立つ勉強法:算数編その7

2023-02-14

カテゴリー:中学入試に役立つ学習法:算数編,

 今日は約数の個数について書いていきます。前回は「エラトステネスの篩(ふるい)と素数」について書いたわけですが、すべての整数は素数の積で書き表すことができます。そして、整数を素数の積で表すことを「素因数分解」と呼びます。この素因数分解はとても大事な概念であり、昔は小学校で習い、少し前は中1で、今では中3の最初に習います。
 ということは、小学生は分数の通分や約分を「何となく」やっているわけです。ですから小学校では、答えを既約分数(それ以上約分できない分数)で答えなくてもマルなのです。「えっ、そうだったの」と思われる方も多いと思いますが、それが日本の標準的な教育であるということを親が認識しておかないと、子どもとしては理不尽に注意された気になりますから注意してください。ただし分数の約分や通分を学習するのは、小学校では6年生になってからですから・・・・・普通に小学校の進度で勉強していたら中学入試には間に合わないわけで・・・・・だから中学受験的には4年生の2学期には分数の計算をできるようにしてしまうわけです。
 
 というわけで、今日の本題である約数の個数の話に行きましょう。
 
 (3)「約数の個数」について
 
  「48の約数の個数は何個ですか」という問題を解くと、48という整数は
 

   1×48
   2×24
   3×16
   4×12
   6×8
 
 のように表すことができますから、48の約数は、12162448の10個です。このぐらいの大きさの数ならば、このように書いていったほうが間違えませんよね。
 
 じゃあ「3024の約数の個数は何個ですか」という問題を同じように解くと、
 

   1×3024
   2×1512
   3×1008
   4×756
   6×504
   7×432
   8×378
   9×336
    ・
    ・
    ・
 

 もうやめましょう・・・・・時間と行数ばかりかかります。う〜ん、一発で出す方法はないかなあ、となりますね。実はあるんです。
 3024を素因数分解すると、2×2×2×2×3×3×3×7ですから、2を4個3を3個7を1個かけた数ですよね。ですから、3024の約数の個数
 
  (4個+1)×(3個+1)×(1個+1)=5×4×2=40個
 
 このやり方は高校数学では定番なのですが、中学入試でも上位難関校では出題されることがあります。きちんとした理屈は「式の展開」という方法を習ってからでないとわからないのですが、覚えておいて損はない方法です。この方法を48にあてはめて解いてみると、48=2×2×2×2×3ですから、2を4個3を1個かけた数なので、48の約数の個数は、
 
  (4個+1)×(1個+1)=5×2=10個
 
 数え上げなくても約数の個数がわかります。というわけで、難しい話になりましたが、難関中学受験生は覚えておいてください。では、今日はこの辺で。

中学入試に役立つ学習法:社会編その6

2023-02-07

カテゴリー:中学入試に役立つ学習法:社会編,

 原始時代の話がやっと一息ついたので、今日から古代についての話を始めます。最初は古墳時代についてです。
 
シュサイ:「前回までで原始時代の話が終わったので、今日から古墳時代の話に入るよ。日本では3世紀後半〜7世紀まで古墳時代(>>詳しくはこちら)と呼ぶわけだが・・・・・弥生時代に稲作が発達して貧富の差がついたのはわかったよね。」
 
一同:「は〜〜い。」
 
シュサイ:「人間の欲というものは際限が無いものでね、衣食住が普通にできるようになり、金銭的にも恵まれるようになると、今度は偉くなって周りの人を従えて、自分の言うとおりにさせようと思うんだよ。」
 
C君:「お金で解決できないこともあるのか。」
 
A子:「当たり前でしょ。どんなにあんたがお金を持っていても、私はあんたの言うことなんてきかないもん。」
 
C君:「ひどいなあ。世の中お金で解決できることは多いんだぞ。」
 
B君:「お前、今いつの時代の話をしてると思ってるんだよ。」
 
C君:「あ、そうか。」
 
シュサイ:「あのね・・・・・今の君たちみたいに、当時の豪族たちは争いばかりしていたわけ。そこで、必要になるのは政治の仕組みなわけ。だから、ヤマト政権(大和朝廷:やまとちょうてい)が生まれた。当時の豪族は血縁関係でつながっていて、(うじ >>詳しくはこちら)と呼ばれていた。これが、蘇我(そが)氏(>>詳しくはこちら)とか物部(もののべ)氏(>>詳しくはこちら)という集団になるわけだ。そして、その家柄に応じて臣(おみ)とか連(むらじ)などの姓(かばね)を与えて、政治に参加させたわけ。(かばね >>詳しくはこちら)というのは役職みたいなもんだね。これを氏姓制度(しせいせいど >>詳しくはこちら)と言うのさ。」
 
C君:「なるほど、じゃあ僕は(おみ >>詳しくはこちら)だな。」
 
B君:「ふざけんな、何でお前がなんだよ。お前は奴婢(ぬひ >>詳しくはこちら)だろう。」
 
A子:「そうよ。そうよ。」
 
C君:「ヌヒ?って何。」
 
B君:「お前、もっと勉強しろよ。」
 
シュサイ:「まあ、氏姓制度が完成するのは、大化の改新(>>詳しくはこちら)以降で戸籍制(>>詳しくはこちら)ができた後だから・・・・・・かなり先だけどね。で、話を元に戻すけど・・・・・豪族たちをまとめるのに必要なのは何だと思う?
 
B君:「権力ですか?」
 
シュサイ:「うん、そうだね。あともうひとつ必要だね。」
 
C君:「お金!」
 
B君:「いいかげん、そこから離れろよ。もうひとつ必要だっていうんだから、必要なのは権威だ、権威!」
 
シュサイ:「正解。権力権威大きさを示すもの古墳(>>詳しくはこちら)だったわけだ。自分の死後も子孫や他の豪族たちに影響力を及ぼすためには、その象徴としての大きな墓が必要だったんだろうね。日本の古墳しかり、エジプトのピラミッド(>>詳しくはこちら)しかり、大きな建造物とか立派な建造物とかが反乱を抑えるための権威づけに必要だったのかもしれないね。さて、じゃあ続きはまた今度にしようか。」

2023年春期講習パンフレット・時間割掲載

2023-02-06

春期講習のパンフレット時間割を掲載しました。

(『通常授業・講習・特別講座』のページにあります。)
>>
通常授業・講習・特別講座』ページ

  
期講習のパンフレット

  
期講習時間割

新中1英数準備講座 (全8回2月中旬開講)のお知らせ

2023-02-02

中学入試に役立つ学習法:理科編その6

2023-01-31

カテゴリー:中学入試に役立つ学習法:理科編,

 前回、動物についての第1回として節足動物について書きましたが、中学入試で圧倒的に出題されるのは、昆虫に関する問題です。これは、現在生存している種の半分以上が昆虫だからです。そこで数回にわたり、昆虫に関して詳しく見ていくことにします。(>>詳しくはこちら
 まず、昆虫の分類のしかたについて見てみましょう。昆虫を分類するときには、翅(はね)に注目して分類します。(>>詳しくはこちら
 
カブトムシの仲間(鞘翅目:しょうしもく >>詳しくはこちら・・・・・甲虫と呼ばれる昆虫で、飛ぶときに使う本来の後翅(うしろばね)が鞘(さや)である硬くなった前翅(まえばね)の内側にしまわれているところから、鞘(さや)の翅(はね)を持つ種類として分類されています。
 
チョウやガの仲間(鱗翅目:りんしもく >>詳しくはこちら)・・・・・チョウは翅(はね)に鱗粉(りんぷん)や毛で覆われています。チョウやガの翅の色がキレイな色をしているのは、この鱗粉のためで、雨などの水をはじくようになっています。ちなみに、チョウやガの鱗粉をすべて筆とかを使って落としてしまうと・・・・・ほとんど透明な羽だけが残ります。つまり、翅(はね)に鱗粉で化粧している種類ということです。
 
ハエ・カ・アブの仲間(双翅目:そうしもく >>詳しくはこちら)・・・・・本来、昆虫は前翅(まえばね)後翅(うしろばね)4枚の翅(はね)を持つのが普通ですが、ハエ・カ・アブの仲間では後翅が退化してしまい、見た目には翅が2枚しかないように見えるので、この名前がついています。
 
ハチ・アリの仲間(膜翅目:まくしもく >>詳しくはこちら)・・・・・丈夫な膜状の4枚の翅を持っています。女王バチ女王アリを頂点とするコロニー社会を作るものが多く、ミツバチの8の字ダンス(>>詳しくはこちら)なども難関校では出題されますから覚えておきましょう。
 
セミの仲間(半翅目:はんしもく >>詳しくはこちら)・・・・・口の形が針状になっているのが特徴です。翅の根元に近い半分が固く、先のほうの半分が柔らかいために、半分の翅(はね)を持つ種類という意味で半翅目(はんしもく)という名前がついています。
 
バッタ・コオロギの仲間(直翅目:ちょくしもく >>詳しくはこちら)・・・・・前翅(まえばね)の翅脈(しみゃく)が背から尾にかけてまっすぐに伸びているため(メスのエンマコオロギなど)、直(まっすぐ)な翅(はね)を持つ種類という意味で直翅目(ちょくしもく)という名前がついています。ショウリョウバッタ(>>ショウリョウバッタについて)やエンマコオロギ(>>エンマコオロギについて)、スズムシ(>>スズムシについて)など、翅をこすり合わせて鳴くのはオスです。これらでは、オスとメスの図の区別なども出題されることがありますが、メスの産卵管(>>産卵管について)に注目すれば、簡単にオスとメスの区別がつきます
 
トンボ(蜻蛉目:せいれいもく >>詳しくはこちら)・・・・・蜻蛉(せいれい)という字は、「かげろう」とか「とんぼ」と読まれることも多い字です。蜻蛉日記(かげろうにっき)(>>蜻蛉日記について)という、女流文学の先駆けとなる日記で有名だからでしょうか。幼虫ヤゴと呼ばれ、肉食性の昆虫であることが有名です。
 
カマキリの仲間(蟷螂目:とうろうもく >>詳しくはこちら)・・・・・蟷螂(とうろう)という字は「かまきり」とも読まれる字ですが、故事成語では「蟷螂の斧(とうろうのおの)」として有名です。卵の形での冬越しや、メスがオスを交尾後に共食いするという現象で有名です。
 
ゴキブリの仲間(ゴキブリ目)・・・・・画像リンクはつけませんでした。知らない人はいませんよね。
 
 上記の9つの分類のうち、⑧や⑨は次回で解説する変態法についての説明に必要なので分けています。予習シリーズなどでは、カマキリゴキブリバッタコオロギの仲間に入れて7つに大別しています。昆虫は、目(もく)レベルだと本来ならもっとたくさんの種類に分類されますが、①〜⑦が種類の多いグループだと思ってください。生物を分類する(>>生物の分類について)ときには、大きな方から、(かい・もん・こう・もく・か・ぞく・しゅ)と分けて行きますので、①〜⑨の目(もく)という字は、項目(こうもく)の目(もく)だと思ってください。では、今日はここまでにします。
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