2023-05-23
カテゴリー:中学入試に役立つ学習法:理科編
今回から人体の消化について書いていきたいと思います。消化というのは、動物が生きていくのに必要な栄養素を体内に取り入れやすくすることですから、まず人間が生きていくのに必要な栄養素の話から始めたいと思います。
人間にとって重要な栄養素は、大きく分けると、①炭水化物、②タンパク質、③脂肪、④ビタミン、⑤ミネラルの5つになります。このうちビタミンとミネラルは少量で体を維持するはたらきをする物質ですから、人体の消化について学ぶ場合は、炭水化物とタンパク質と脂肪の消化について学ぶということと同じ意味だと思ってください。
まず、
炭水化物(>>
詳しくはこちら)というのは、
炭素と水の化合物ということですから、
燃やす(水分を除去する)
と残るのは炭素つまり炭(すみ)になります。
パンや
御飯を焦がしてもくさいにおいがしませんよね。そして、
おこげも一応食べられます(?)ね。また、
プリンにかかっている
カラメルソースは、
濃い砂糖水を鍋で焦がして、炭になる直前に水を注いでつくります。このように、
デンプンや
糖が代表的な
炭水化物です。そして、炭水化物というのは
エネルギー源になるものですから、人間を自動車にたとえれば、
炭水化物はガソリンの役目をすると思ってください。
さて、
お肉や
お魚を焦がすと、
焦げ臭いにおいがしますよね。これは、
タンパク質(>>
詳しくはこちら)に含まれる窒素(N)が燃えたときの臭いだと思ってください。タンパク質は
アミノ酸(>>
詳しくはこちら)からできていますが、その
アミノ酸のもとになっているのが、
炭素(C)、
水素(H)、
酸素(O)、
窒素(N)です。人間を自動車にたとえれば、
タンパク質はボディ、つまり
車体の役目をします。
タンパク質をアミノ酸に分解の体は常にして、それを材料として使って、
筋肉や
皮膚や
血液などに作り変えるわけです。自動車と違うところは、人間の体は常に
新陳代謝(しんちんたいしゃ)を繰り返しているため、この
タンパク質をいつも補給し続けないと、人体を維持できないということです。ちなみに
約3ヶ月で体の細胞が入れ替わりますが、
あたらしく作られるタンパク質の多くが古い細胞をアミノ酸に分解した後にリサイクルされ、もう一度使われることになります。つまり、
人間の体の古い細胞の約70%がリサイクルされて新しい細胞に生まれ変わることになるわけです。人間って本当にすごい効率の良い生物ですね。
脂肪(>>
詳しくはこちら)は、
脂質とも呼ばれ、炭水化物やタンパク質に比べ、
少量で大きな力となる非常に効率の良いエネルギー源です。たとえば、ラクダの
こぶは
脂肪でできていて、
旅の前には膨れていますが、長旅の後にはしぼみます。また、山などで遭難した際には、
男性よりも女性のほうが生き残る確率が高いそうです。これは
男性よりも女性のほうが脂肪が多いためです。
上記の3つが三大栄養素と呼ばれ、まんべんなく食事から摂取しないとダメな栄養素です。ビタミンやミネラルについては、最近ではサプリメントや栄養補助食品で摂取する人も多いようですが、ビタミンやミネラルが不足すると体にいろいろな不調が起きます。人体については、小学校でも、中学校でも、高校でも学習しますよね。なぜ、多年に渡って学習するかといえば、体調が悪くなったときにある程度の応急処置ができるようにするためです。そこで、ビタミンやミネラルのはたらきについては、次回でくわしく書いてみたいと思います。それでは、また。
2023-05-19
カテゴリー:塾対象説明会レポート2023
光英VERITAS中学校は、千葉県松戸市にある中高一貫校で、1933年創立された幼稚園から大学まである学校です。一昨年度、男女共学になり、聖徳大学附属女子中学校から校名が変更になりました。高校も男女共学になり、今年度、光英VERITAS中学校としての3期生が、108名(男子53名、女子55名)入学しました。共学化3年目で、入学者の男女比が1:1になりました。
校名の「光英VERITAS」については、「光」は光り輝く人、「英」は「英才」とか「英知」、「秀でた人」「グローバル」という意味があり、「VERITAS」はラテン語の「Optima est Veritasu / 真理こそ最上なり」に由来し、真理を探究する生徒を育てたいという思いが込められています。また、マークについては、校名のイニシャル「KV」とともに地球を守る(人、社会、自然に貢献する)盾をイメージし、菱形は「光り輝いていく」原石=生徒をイメージしてデザインしました。
光英VERITAS中学校の正門です。
ヴェリタスの学び
学びの土台
・ツール(ICT)
ひとり1台のiPad、Classi、ロイロノートの活用
・メソッド(トルネードラーニング)
探究的な学びのサイクルを「理数教育」「英語・グローバル教育」「小笠原流礼法教育」の各分野で回しながら学校生活全体に波及させ、大学や企業と連携させていく。
・マインド(小笠原流礼法)
「思いやりと日本文化」を週1時間学び、卒業時に許状を取得できる。
2大コンテンツ
・グローバル(英語・国際理解)
・サイエンス(理科・数学)
2023年度中学入試は、第1回入試、特待選抜入試で、受験者数・実倍率とも上昇しました。適性検査型入試の廃止やVERITAS英語入試の科目数の増加などによって、出願者数・受験者数の総計は減少しました。
説明会会場の様子です。
2024年度中学入試について
・変更点
①入試の新設
1/20午後 VERITAS探究入試
求める生徒
「問を持つ学び」取り組む資質・能力・意欲のある生徒
・地球(人・社会・自然)を守る意味を理解している生徒
・VERITASトルネードラーニングを中心においた本校の学びに意欲的に取り組む生徒
入試内容
1.SDGsに関連する課題の提示
2.iPad(当日貸し出し)と提示資料から情報を集める
3.情報を分析し、発表内容をまとめる(50分)
4.グループ内発表
① 受験生グループ内で発表(2分程度)
② 発表後の質疑応答
5.ルーブリック評価を行う
詳細(試験時間・試験内容等)は10月上旬に発表
模擬問題の公表も予定
②日程変更
1/24午前 VERITAS英語入試(2023年度は1/20午前)
・日程、募集定員
12/1 午前
・第1志望入試 男女35名募集
2科または4科と面接
・帰国生入試 男女若干名募集
2科または4科と面接
1/20 午前
・第1回入試 男女35名募集
2科または4科
1/20 午後
・VERITAS探究入試 男女若干名募集
SDGsに関するテーマの探究活動
・VERITAS理数特待選抜入試 男女10名募集
算数・理科融合問題
1/22 午前
・特待選抜入試 男女20名募集
2科または4科
1/24 午前
・第2回入試 男女25名募集
2科または4科
・VERITAS英語入試 男女5名募集
2科と英語
2/4 午後
・第3回入試 男女若干名募集
2科
特待アップスライド合格制度
・特待アップスライド合格:特待選抜入試以外の試験でも、特に優秀な成績の者は、特待合格として発表する。
優遇措置
・次の①②③のいずれかに該当する受験生には、合否判定の際に総合点に加点し、優遇する。ただし、重複しての加点は行わない(加点の大きい方のみ)
①複数回入試受験者:複数回受験をした者(2回目以降)
②帰国生に対する優遇:海外の学校に通算1年以上在籍し、帰国後3年以内の者
③英語検定合格者に対する優遇:4級以上の合格者。英語検定以外の場合はCEFRの対照表により判断する。
光英VERITAS中学校の制服です。
最後に、
学校説明会等の詳細については、
こちら まで。
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2023-05-17
カテゴリー:中学入試に役立つ学習法:算数編
前回は「循環小数と分数」の関係についてでしたが、その中で「分数の計算」には3種類の難問があると書いたのを覚えているでしょうか。今回はその中のひとつ「繁分数(はんぶんすう)」の計算について書いてみたいと思います。繁分数の計算は、分数の基本的な計算概念に基づけば難しいものではありませんから、はじめて見たときにはどうやって解いたらいいのか戸惑いますが、きちんとできるようにしましょう。
例を挙げて説明しましょう。繁分数というのは、分母や分子が分数であるような分数のことですから
のような分数です。分数の基本は分子÷分母ですから、上の問題は、
1÷(1+2分の1)=1÷2分の3=1×3分の2=3分の2
が答えになります。ですから、
のような問題では、
3÷(1+1÷□)=2.5
という問題を解くのと同じなわけです。では、次のような問題はどうやって解くのでしょう。
A〜Dにあてはまる整数を答えなさい。
(早大学院高)
26を7で割ると3あまり5ですから、
になりますよね。ですから、Aは3になります。そしてBは1.4の整数部分にあたる1になるわけです。 さらにこれを続けて解いていくと、A=3、B=1、C=2、D=2となります。「分数の計算」についての話も次回が最後になります。もう少しですから頑張りましょう。というわけで、今日はここまで。
2023-05-12
エクセレントゼミナールでは、父母向け無料公開セミナー「中学受験の基礎講座 第4回:第一志望合格への学習スケジュール」を6月18日(日)10:30〜12:00で開催いたします。
何度か「中学受験の基礎講座」にご出席頂いている方はご存知だと思いますが・・・・・今回のテーマは、中学入試で重点的に出題される単元を把握して学習に生かしたい方を対象とした内容となります。
面談時に父母によく相談される質問は・・・・・
「前に学習した単元が定着していないようなのですが・・・・・積み残しが心配なんです・・・・・応用よりも基本をやり直させたほうが良いのではないでしょうか?」
「前の復習をするのに、何からどう手をつけたら良いのでしょう??」
「過去問にはいつ頃から手をつけたら良いのでしょう? そして、どういう順番で演習したら良いのでしょう?」
「勉強時間が少ない気がするのですが、このままで大丈夫なのでしょうか?」
というようなものです。つまり受験勉強が佳境になると、あれもできていない、これも苦手、これからの勉強スケジュールをどう立てたらいいのだろう、というお子さんの学習面に対する父母の不安が増大するわけです。
じゃあ、どうすれば良いのか?
ズバリ言えば、「入試に良く出題される重点単元を補強」し、「入試までの学習スケジュールに見通しを立て」て、「志望校の過去問の得点力をつけ」ればいいのです。
しかし、父母の皆さんのほとんどは、入試のプロではありませんから、「何が入試に良く出題されるのか」や「どの時期に何を目標にして勉強するか」がわかっていないことが多いわけです。
そして、最悪のパターンだと・・・・・早めに志望校の過去問に取り組んだ結果、合格最低点に届かない子どもを責め、自信を失わせ、しかも親ばかりが焦る結果になります。
手順を間違えたり、調理時間を間違えたりすると、同じ材料を使ってもとんでもない料理になることがありますよね?
中学受験の場合は、受験生が小学生ですから、受験勉強で何をどうやれば・・・・・というのは全く想像がついていないといっても過言ではありません。だからこそ、御父母の皆さんが正しい指標を持ち、火加減をうまく見てあげる必要があるのですが・・・・・最初のお子さんの中学受験のときはほとんどの方がうまくサポートできないのが普通です。
ですから今回は、どのタイミングで志望校の過去問に手をつけるかや、どのような単元に重点をおいて復習をするのか、などの学習に関する悩みに焦点を絞って、プロの技を伝授するセミナーとなります(笑)
なお今回のセミナーの場を借りて、2023年夏期講習の説明もさせていただきますので、塾生以外の方はあしからずご了承くださいますようお願いいたします。
「中学受験の基礎講座」はどなたでも受講可能な無料公開セミナーです。参加ご希望の方は、参加申込書( PDF )をダウンロードしてからプリントアウトし、申込書に記入後、エクセレントゼミナールへFAX(04―7148―4617)していただければお申し込み受付が完了いたします。もちろん、お電話(04―7148―4619)でも参加申し込みを受け付けております(午後2時〜9時30分)。資料や会場準備の都合がありますので、セミナー前日の6月17日(土)までにお申し込みのほどよろしくお願い申し上げます。
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2023-05-09
カテゴリー:中学入試に役立つ学習法:社会編
前回は、自給自足経済が商品経済に発達する過程を俯瞰(ふかん)しました。経済が大幅に発展したのは産業革命以降の話になりますので、ここからは少しゆっくりと経済の歴史を書いていきたいと思います。
シュサイ:「前回は、
農業中心の自給自足経済から少しずつ生産力が向上して、
市場経済が発達したという話までしたんだったね。
生産力が飛躍的に向上するには、
産業革命(>>
詳しくはこちら)を待たなければならなかったわけだが・・・・・
産業革命期に発明されたものにはどんなものがあるか知っているかい?」
B君:「たしか、ジェニー紡績機とか・・・・・」
B君:「公害だなあ。喘息(ぜんそく)になりそうですね。」
C君:「人権侵害で訴えてやる。」
A子:「はいはい、わかった、わかった。ちょっと黙っててくれる?」
シュサイ:「
アークライト(>>
詳しくはこちら)は
水力紡績機を発明しているけど・・・・・当時は
公害や
エコロジーの概念は無いから、まあ仕方ないな。ちなみに、
産業革命といっても数年の間に起こったわけではなく、およそ
100年間ぐらいかけて発展したんだ。」
C君:「遅っ!!」
A子:「あんただったら1000年かけても無理よ!」
シュサイ:「遅いように感じるかもしれないけど、自給自足経済時代が15世紀ごろまで続いていて、その後の商品経済時代が15〜18世紀の400年だとすると、たった100年で飛躍的に進歩したんだよ。蒸気機関車ができるまでは、移動手段はせいぜい馬なんだから。」
B君:「それはそうだなあ。」
シュサイ:「ところで・・・・・蒸気機関がはじめて利用されたのが紡績機だといえるわけだが・・・・・そのころの紡績機は何の糸をつむいでいたのかな?」
C君:「知ってる! カイコ!」
A子:「あんた、バカぁ?」
C君:「え、何で? 違うの?」
A子:「・・・・・ほんとに、バカね。」
B君:「へ〜〜、イギリス人って着物を着てたんだ?」
C君:「あっ、そうか。 ということは・・・・・」
シュサイ:「ヒツジの毛、つまり羊毛だね。その後は綿花になるけどね。」
C君:「いやあ、当然じゃないですか。わざと間違えただけですよ・・・・・皆わかってないなあ。」
B君:「ウソをいうな、ウソを。」
シュサイ:「・・・・・ハァ・・・・・・当時は毛織物工業がすごく儲かったんだ。なぜ儲かったかという話は・・・・・時間がきたから、次回にするか。」
というわけで、産業革命は
ジョン・ケイ(>>
詳しくはこちら)が
飛び杼(とびひ)を発明してから、
ニューコメン(>>
詳しくはこちら)や
ワットの
蒸気機関の改良を経て、
蒸気船や
蒸気機関車(>>
詳しくはこちら)が実用化されるまでの
およそ100年間を指します。この時期の
生産技術の進歩と
当時の社会のしくみが
どのように関わっていたか、という話も大事な話ですので、次回に少し詳しく書いていくことにします。それでは、また。