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塾対象説明会レポート:鴎友学園女子中学校

2017-05-11

カテゴリー:塾対象説明会レポート2017,

 鴎友学園女子中学校は、世田谷区宮坂にある女子の完全中高一貫校です。1935年に創設され、今年で82年になります。最寄駅は、小田急線の経堂駅または、世田谷線の宮の坂駅になります。
 鴎友学園では創立以来、キリスト教の精神を基盤に「慈愛(あい)と誠実(まこと)と創造(そうぞう)」を校訓として心の教育を行っています神から社会の中で生きる私たちに与えられた「慈愛(あい)」で他人を思いやり、自分を大切にする心を育んでいきます。また、神から与えられた可能性を一人ひとりが発見し、その可能性を「誠実(まこと)」に伸ばし、社会の中で発揮して「創造(そうぞう)」的に生きることができるような人物を育てていきます。鴎友学園では学力の充実とともに、社会性の獲得を学校の大切な役割と考えています。



鴎友学園の正門です。


中学入試について
 H28年度入試では、第1回の手続き率が予想以上に高かったため、第2回の合格者数を絞らざるを得ない状況になったため、H29年度入試では、第1回の合格者数を少し減らし、第2回の合格者数を増やした。そのため、第1回・第2回ともに募集人数以上の入学者を確保できた。第1回入試は昨年度同様合格しやすい入試になり、第2回入試も再チャレンジしやすい入試になった。

複数回受験生について
第1回と第2回の両方出願者(同時出願+追加出願)が増加
 H29年度 315名(H28年度+27名)
第2回合格者のうち、21名は2度目の受験で合格
 この21名の4教科の合計点は、平均で57点アップ
 90点以上伸びた受験生が2名
 74名中、席次10番以内の合格者もいる
受験生全体で見ても2度目の受験生は得点を伸ばしている
 2度目の受験生平均……27.2点アップ
 (全受験者平均点……8.3点アップ)

 鴎友学園女子中学校の理科・社会の入試問題は、カラー印刷になっています。また、国語の入試問題は記述式で、字数制限のない問題もありますので、実物の入試問題で練習する必要があります(1行の字数の目安は、25字から30字です)。鴎友学園のホームページに最近3年分の入試問題(入試問題はこちら)がありますので、こちらを利用すると良いでしょう。

 平成29年度大学入試の結果 国公立大学への進学率が25.5%、難関私立大(早慶上理ICU)25.5%と国公立大学と難関私立大を合わせると51%と過半数の生徒が進学しています。また、幅広い進路選択が可能で、芸術系に進学する生徒もいます。



鴎友学園のグラウンドです。


平成29年度中学入試結果
応募者数
第1回 463名(H28年度 452名、H27年度 595名)
第2回 486名(H28年度 517名、H27年度 470名)
同時出願者数315名で、過去最高だった。
受験者数
第1回 453名(H28年度 434名、H27年度 573名)
第2回 269名(H28年度 274名、H27年度 263名)
合格者数
第1回 241名(H28年度 261名、H27年度 286名)
第2回  74名(H28年度  44名、H27年度  47名)
入学率(入学者数÷合格者数)
第1回 80.1%(H28年度 84.7%、H27年度 55.9%)
第2回 67.6%(H28年度 50.0%、H27年度 61.7%)
合格最低点(400点満点)
第1回 214点(H28年度 223点、H27年度 247点)
第2回 254点(H28年度 255点、H27年度 269点)
入学者数
243名(H28年度 243名、H27年度 223名)

各科目
国語
・入試の特徴
文章量は、文学的文章と説明的文章を併せて8000字前後。
すべて記述式の解答
・入試問題の構成
1.文学的文章
・物語の設定を確認する問題
・表現や心情を読み取る問題
・物語のテーマに関する問題
2.説明的文章
・話題に関連した問題
・テーマに関わる問題
・筆者の考えや問題提起を問う問題
3.漢字の書き取り
・教育漢字より5題
・入試で見たい力
 受信する力
 まとまった文章を読み、情報の整理をしたり、相手のメッセージを読み取ったりする力
 発信する力
 理解したものを再構成し、自分で表現する力
 文章読解力
 記述力、語彙力
・採点方法
「要素」「加点」方式
要素としている事柄が入っていれば加点していく
・設問の特徴
場面展開を意識した問いになっている。
問いは、後の問いのヒントになっている。
設問は、展開・変化をつかむヒントになる。
・記述問題の学習法①
色々なジャンルの本を読む。
※時代・空間・世代が違う作品
その内容を誰かに説明する。
場面ごとの「構成」を図式化する。
「図式化」したものを文章化する。
全体の「あらすじ」「要点」を五十字〜百字程度でまとめる。
・記述問題の学習法②
 解くときは
  解答は本文の中の表現から根拠を探しながら作る。
  自分の解答を声に出して読む。
  (一回で読める文章にすることをめざす。)
 解き終えたら
  過去問を解き、事例集を見ながら要素ごとの採点をする。
  正解の文章と照らし合わせる。解答例を書き写す。

・国語力とは「論理的読解力」
 基礎 文章を正しく読み取ることが学習の基礎になる。(=受信・情報の整理)
 まとめ 幅広い分野の知識があって、はじめて文章が読み取れる。

合否の差が特に大きかった問題(正答率)
第1回 三 (5) 差 20.1% 漢字の書き取り「玉石混交」
第2回 三 (1) 差 20.0% 漢字の書き取り「査定」

算数
・8題程度
全問記述式(途中点)
・問題の構成
代数の定番(人数、お金、個数など)
速さと時間
図形 平面図形(角度、線分の長さ、面積)、立体図形(表面積、体積)、点の移動
場合の数、演算記号、数の規則性
グラフの読み取り、グラフの利用

H30年度について
・出題形式(途中の記述)は例年通り
・鴎友の定番 特に比と割合 平行四辺形 速さ
・読解力と分析力
・最後まであきらめない

H30年度からの変更点
・計算問題を大問1に出題
・文章題の数は減る

合否の差が特に大きかった問題(正答率)
第2回 4 差 44.6% 整数
第2回 7(2) 差 43.9% 直方体・影
第1回 2 差 39.4% 時計
第2回 8(1) 差 39.1% グラフ・点の移動

社会
社会科で大切にしていること
・知的好奇心を育てる
・実物・体験を大切にする
・理由と結果を考える
・自分の言葉でまとめる
・理解することで記憶する

問題構成
・地理(30点)、歴史(40点)、公民(30点)から各1題ずつ出題
ただしきっちり分野に分けているわけではなく、それぞれの分野が関連するような出題をしている。
 時事問題も出題する。
出題コンセプトと求める解答
①基礎知識を問う問題(これまでの学習量を測る)
②与えられた情報に自分の知識を組み合わせて答える問題
 (学習の深まりを測る)
①要素が不足することなく入った解答
②題意に沿った解答

社会学習におけるポイント
①基礎・基本を大切に
 ・基本用語 自分の言葉で説明できるか?
 ・作図・読図 手を動かす作業に慣れる
 ・歴史事項の把握 いつ、どこで、誰が、何を? 出来事の順番・因果関係
 ・日本国憲法
②問題文を正確に読み取り、的確に答える
 写真、グラフ・史料など資料に触れる
 → 初見の資料でもあわてずに対応

H30年度に向けて
 「基礎を確実に固める」
<記述問題に答えるときの注意事項>
・問われていることに対応しているか?
・主語と述語が結びついているか?
・誤字や文法的におかしな表現はないか?

合否の差が特に大きかった問題(正答率)
第2回 3問2 差 32.3% デモが中止になったことに影響した法律の名前
第1回 2問6(1) 差 26.3% 幕末、変化のきっかけとなったできごと
第1回 2問9 差 24.7% 1970年代後半に起きたできごとを選ぶ
第1回 1問3(1) 差 23.9% 降水量のグラフの読み取り

理科
鴎友学園の理科が受験生に求めるもの
・基本的な知識を使う力
・情報を整理する力
・考えたことを表現する力
学習する際に心がけて欲しいこと
・基本的な知識であっても、その理由をしっかりと考える。
・問題文を丁寧に読む習慣をつける。
・グラフの問題に慣れる。
・あとから見て、どのように考えたかが分かるように、その過程を書く。

H30年度について
・大問4問構成、物化生地をほぼ均等配点で出題
・問題の傾向は変えない
 基本的な知識を問うような問題も出題する
 流れを意識して解き進めるような問題で、思考力を問う
・H30年度は、受験生がじっくり考えて解けるように全体の分量を減らす

合否の差が特に大きかった問題(正答率)
第2回 3問6硝酸カリ 差 48.9% ろ液に含まれる物質の重さ
第2回 3問6ホウ酸 差 38.9% ろ液に含まれる物質の重さ
第2回 3問5 差 37.2% 沈殿した物質名とその重さ
第2回 4問7_4 差 35.5% 水星から見た太陽の見え方



説明会会場の様子です。


平成29年度大学入試結果(合格者数)
国公立大…94名(H28年度85名)
東京大9名、一橋大10名、東工大2名、東京医科歯科大1名、東京外語大11名、お茶ノ水女子大5名、東京藝術大2名、東京農工大9名、東京学芸大2名、東京海洋大2名、電通大1名、首都大東京10名、横浜国立大5名、千葉大3名、筑波大3名、横浜市立大2名、北海道大1名、東北大2名、国際教養大1名 等 
私立大
早稲田大98名、慶應義塾大55名、上智大68名、東京理科大55名、ICU14名、明治大132名、青山学院大48名、立教大78名、中央大58名、法政大33名、学習院大8名 等
卒業生数 259名(H28年度225名)

 最後に、学校説明会詳細はこちら)は第2回が6月17日(土)10:00〜11:30にあります。学校説明会は予約制(第2回は5月17日(水)から受付開始)になります。また、オープンキャンパス7月8日(土)9:30〜15:30に行われます。

 以上です。このレポートが参考になった方は応援クリックをお願いします!!

しっかり選ぼう私立中2017

2017-04-24

 来る5月14日(日)の10:30〜12:00で、無料公開セミナー「中学受験の基礎講座 第3回:しっかり選ぼう私立中」をエクセレントゼミナールにて開催いたします。

 

 各校の最新大学合格実績とそれをどう読むか、中高6年間の費用はどのくらいかかるのか、どんな部活があるのか、プールや食堂などの設備などはどうなっているか等を一覧できる資料を用意し、いろいろな視点で各私立中学校を比較検討できるようにしてあります。また、ブログには書けない各校の長所と短所などについてのご質問にもお答えします(笑)

 

 エクセレントゼミナールには、中学受験で合格した後も引き続き通う私立中高生が多くいます。そして、私立中高に通ってから英語や数学の教材(ニュートレジャーや体系数学・フォーカスゴールドなど)の勉強に困ってお問い合わせいただく生徒はかなりいます。

 

私立中高一貫校では、公立の学校とは異なるカリキュラムや教材を使用することが当たり前で・・・その中でも英語や数学でかなり特殊な教材を使う例があります。一例を挙げれば・・・都内有数のある私立中学校では、中1の段階から英語の教科書が会話学校等でよく使用されるオックスフォード出版のテキストなので、日本語がまったく出てきません。つまり、昔ながらの英文法的な学習を全く行わず、フォニックス的学習だけを行うわけです。また、開成や麻布の数学などはプリント授業ですから・・・教科書すらありません(中学校で使う検定済み教科書は無償なので渡されますが、一度も使うことなくお蔵入りになります)

 

 こうした特殊な指導をしている難関私立中学校は多く・・・しかも、難関中高になればなるほど、補習などの学習指導や大学受験指導は減る傾向にあると思ってください(どの大学を受けるのかすら聞かれません・・・笑)

 

 そういう意味では、合格した後は自分で工夫して頑張れる子どもなのか、しばらくは手をかける必要があるのか等を親が見極めたうえで学校選びをする必要があるわけです。エクセレントゼミナールに多くの中高生が通っているため、それらの特色を我々は詳しく知っていますが・・・受験生の父母の皆さんは、学校パンフレットプラスアルファの情報しか持っていません。だからより詳しく、6年間どのような学校生活を送ることになるのか、といった情報をお伝えする機会として、この「しっかり選ぼう私立中」のイベントがあるわけです!!

 

 

 このイベントは、どなたでも無料でご参加いただけますので、参加ご希望の方は参加申込書(PDF)をダウンロードしてからプリントアウトし、申込書に記入後、エクセレントゼミナールへFAX(04―7148―4617)してください。

 

 もちろん、お電話(04―7148―4619)でも参加申し込みを受け付けております(電話受付は13:00〜21:00となります。また、5月3日〜5月5日の期間はお休みとなりますのでご注意ください) 資料や会場準備の都合がありますので、セミナー前日の5月13日(土)までにお申し込みいただけると助かりますが・・・当日の飛び込み参加も大歓迎です!!

2017年夏期講習時間割掲載

2017-04-19

夏期講習の時間割を掲載しました。
(『通常授業・講習・特別講座』のページにあります。)
>>『通常授業・講習・特別講座』ページ 夏期講習時間割

2017年大学への入り口はいくつある

2017-04-13

 来る4月23日(日)10:30〜12:00で2017年 大学受験の基礎講座 第1回:「大学への入り口はいくつある?」PDFをエクセレントゼミナールにて開催いたします。

 

 本年度も年5回(第2回は5月28日、第3回は6月25日、第4回は9月24日、第5回は10月29日の開催予定)の実施を予定しています。本年度も全て日曜日の開催となります。

 

 今回のセミナーで扱うテーマは、大学受験のシステム全般になります。推薦入試やAO入試、大学入試センター試験とその役割、国公立大の前期・中期・後期日程から私大入試のセンター利用入試や全学部入試にいたるまで、複雑怪奇といわれる大学入試システムをまとめ、大学への間口がいったいいくつあり、果たして本当にそれが合格しやすいのかどうか、という内容を扱います。

 

 大学受験の基礎講座は、中学受験の基礎講座と同じく、興味のある方ならどなたでもご出席いただけます。

 

 このセミナーに参加してみたいと思った方は、応援クリックをお願いいたします!!

通常時間割を更新しました

2017-04-01

2017年 模試の活用の仕方とデータの読み方

2017-03-24

 エクセレントゼミナールでは、来る4月16日(日)10:30〜12:00で、公開セミナー「中学受験の基礎講座 第2回:模試の活用の仕方とデータの読み方」を開催いたします。

 

 

 講座内容は、「模試のデータをどう活用するか」がテーマです。

 

 

 一般的には、模試の偏差値や正答率データをもとにして、志望校を選ぶ御父母や受験生はとても多いと思います。しかし、それはどのくらい信頼できるのでしょうか? また同じ学校であっても、模試によって偏差値が大きく違うのはどうしてでしょうか?

 

 

 中学受験で俗に3大模試と呼ばれる模試は、四谷大塚の「合不合判定テスト」、「日能研 全国公開模試」、「首都圏模試」のことですが・・・・・・それぞれの模試には、母集団の違いと出題形式の違いによって特徴が現れます。そしてSAPIXが7年前から模試を公開模試に切り替えたため、中学受験は4大模試時代を迎えました。

 

 

 小6の夏前の模試では、各塾のカリキュラム進度の差が出題範囲に反映されているため、あくまでもその時期での学力目安としての意味しかありません。つまり、小6の夏前の模試で志望校の合格可能性が80%以上と判定されたとしても、その出題内容は各塾のカリキュラムに左右されているだけでなく、受験生の夏前の学力が夏期講習を越した秋の学力とは比べ物にならないほど劣っているため、志望校の合格可能性は気休めにしかすぎないわけです。

 

 

 模試による判定や偏差値の基準が、各模試によってかなり違うことは良く知られていることですが・・・・・・こうしたことがどんなことが原因で起こるのか、また、志望校の合格可能性を判断するために、どの模試を利用するのが良いのかなどを解説していきます。

 

 

 「中学受験の基礎講座」は無料公開講座ですから、どなたでも受講できます。参加ご希望の方はPDFをダウンロードし、プリントアウトしていただき、参加申込書に記入した後、04―7148―4617へFAXしてくださるかお電話にてお申し込みください。皆様の参加をお待ちしております!!

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