塾対象説明会レポート:鴎友学園女子中学校
2018-05-08
カテゴリー:塾対象説明会レポート2018
鴎友学園女子中学校は、世田谷区宮坂にある女子の完全中高一貫校です。1935年に創設され、今年で83年になります。最寄駅は、小田急線の経堂駅または、世田谷線の宮の坂駅になります。
鴎友学園では創立以来、キリスト教の精神を基盤に「慈愛(あい)と誠実(まこと)と創造(そうぞう)」を校訓として心の教育を行っています。神から社会の中で生きる私たちに与えられた「慈愛(あい)」で他人を思いやり、自分を大切にする心を育んでいきます。また、神から与えられた可能性を一人ひとりが発見し、その可能性を「誠実(まこと)」に伸ばし、社会の中で発揮して「創造(そうぞう)」的に生きることができるような人物を育てていきます。鴎友学園では学力の充実とともに、社会性の獲得を学校の大切な役割と考えています。
鴎友学園の正門です。
中学入試について
第1回入試
・出願者数、受験者数ともに3年連続増加
・昨年度に比べ、ボーダーライン上に受験生が集中
・合格者数は昨年度より10名減
・入学者数は昨年度並み
第2回入試
・受験者数が初めて300名を超えた
・再チャレンジ率が上昇(83.9%→87.6%)
・再チャレンジ受験生の合格率も上昇(14.8%→16.4%)
・再チャレンジ受験生の入学率も上昇(91.0%→92.8%)
・再チャレンジ合格者27名の4教科の合計点(400点満点)は平均で50点上昇
最高は85点上昇
合格者の上位1/3に4名 ※ボーダーの合格だけではない
参考)4教科の合計点を比較すると
・再チャレンジの受験生全体では、平均23.2点上昇
・全受験者の平均点は、7.9点しか上がっていない。
鴎友学園女子中学校の理科・社会の入試問題は、カラー印刷になっています。また、国語の入試問題は記述式で、字数制限のない問題もありますので、実物の入試問題で練習する必要があります(1行の字数の目安は、25字から30字です)。鴎友学園のホームページに最近3年分の入試問題(入試問題はこちら)がありますので、こちらを利用すると良いでしょう。
平成30年度大学入試の結果 国公立大学への進学率が30.0%、難関私立大(早慶上理ICU)22.3%と国公立大学と難関私立大を合わせると52%と過半数の生徒が進学しています。また、幅広い進路選択が可能で、芸術系に進学する生徒もいます。
鴎友学園のグラウンドです。説明会当日の天気は雨でした。
2018年度中学入試結果
・応募者数
第1回 486名(H29年度 463名、H28年度 452名)
第2回 509名(H29年度 486名、H28年度 517名)
同時出願者数315名で、過去最高だった。
・受験者数
第1回 469名(H29年度 453名、H28年度 434名)
第2回 312名(H29年度 269名、H28年度 274名)
・合格者数
第1回 231名(H29年度 241名、H28年度 261名)
第2回 98名(H29年度 74名、H28年度 44名)
・入学率(入学者数÷合格者数)
第1回 82.3%(H29年度 80.1%、H28年度 84.7%)
第2回 65.3%(H29年度 67.6%、H28年度 50.0%)
・合格最低点(400点満点)
第1回 236点(H29年度 214点、H28年度 223点)
第2回 267点(H29年度 254点、H28年度 255点)
・入学者数
254名(H29年度 243名、H28年度 243名)
各科目より
国語
・入試の特徴
文章量は、文学的文章と説明的文章を併せて8000字前後。
すべて記述式の解答
・入試問題の構成
1.文学的文章
・物語の設定を確認する問題
・表現や心情を読み取る問題
・物語のテーマに関する問題
2.説明的文章
・話題に関連した問題
・テーマに関わる問題
・筆者の考えや問題提起を問う問題
3.漢字の書き取り
・教育漢字より5題
・入試で見たい力
受信する力
まとまった文章を読み、情報の整理をしたり、相手のメッセージを読み取ったりする力
発信する力
理解したものを再構成し、自分で表現する力
文章読解力
記述力、語彙力
・採点方法
「要素」「加点」方式
要素としている事柄が入っていれば加点していく。
部分点あり。
・設問作成で意識していること
場面展開を意識した問いになっている。
問いは、後の問いのヒントになっている。
設問は、展開・変化をつかむヒントになる。
・記述問題の学習法①
=国語の基本的な勉強法
色々なジャンルの本を読む。
※時代・空間・世代が違う作品
その内容を誰かに説明する。
場面ごとの「構成」を図式化する。
「図式化」したものを文章化する。
全体の「あらすじ」「要点」を五十字〜百字程度でまとめる。
・記述問題の学習法②
=「練習」が必要
解くときは
解答は本文の中の表現から根拠を探しながら作る。
自分の解答を声に出して読む。
(一回で読める文章にすることをめざす。)
解き終えたら
過去問を解き、事例集を見ながら要素ごとの採点をする。
正解の文章と照らし合わせる。解答例を書き写す。
・国語力とは「論理的読解力」
基礎 文章を正しく読み取ることが学習の基礎になる。(=受信・情報の整理)
まとめ 幅広い分野の知識があって、はじめて文章が読み取れる。
基本は国語力(論理力)
合否の差が特に大きかった問題(正答率)
第1回 三 (5) 差 19.4% 漢字の書き取り「品行方正」
第2回 三 (3) 差 18.6% 漢字の書き取り「貸借」
算数
・8題程度
全問記述式
・問題の構成
計算問題(2018年度から)
代数の定番(人数、お金、個数など)
速さと時間
図形 平面図形(角度、線分の長さ、面積)、立体図形(表面積、体積)、点の移動
場合の数、演算記号、数の規則性
グラフの読み取り、グラフの利用
2019年度について
・出題形式(途中の記述)は例年通り
・鴎友の定番 特に比と割合 平行四辺形 速さ
・読解力と分析力
・最後まであきらめない
合否の差が特に大きかった問題(正答率)
第2回 3 差 35.2% 売買損益
第1回 8(1) 差 32.1% 速さ(グラフ)
第1回 8(2) 差 31.4% 速さ(グラフ)
第2回 7(1) 差 30.1% 速さ(グラフ)
社会
出題コンセプトと求める解答
・基礎知識を問う問題
これまでの学習量を測る
・与えられた情報に自分の知識を組み合わせて答える問題
学習の深まりを測る
↓
・要素が不足することなく入った解答
・題意に沿った解答
社会学習におけるポイント
①基礎・基本を大切にする
・作図・読図 手を動かす作業に慣れる
・歴史事項の把握 いつ、どこで、誰が、何を? 出来事の順番・因果関係
・日本国憲法 基本的な条文をおさえる
・基本用語 自分の言葉で説明できるか?
②問題文を正確に読み取り、的確に答える
写真、グラフ・史料など資料に触れる
→ 初見の資料でもあわてずに対応
2019年度に向けて
「基礎を確実に固める」
<記述問題に答えるときの注意事項>
・問われていることに対応しているか?
・主語と述語が結びついているか?
・誤字や文法的におかしな表現はないか?
合否の差が特に大きかった問題(正答率)
第2回 2問7 差 32.9% 神奈川県にある関所の名前
第2回 2問8 差 26.4% 酒田が東西航路の拠点として発展した理由
第2回 2問9 差 24.6% 藩から県になる過程の藩・県の名前
第2回 2問4 差 24.3% 律令政治における地方を統治するしくみ
理科
鴎友学園の理科が受験生に求めるもの
・基本的な知識を使う力
・情報を整理する力
・考えたことを表現する力
学習する際に心がけて欲しいこと
・基本的な知識をしっかり身につける。
・問題文を丁寧に読む習慣をつける。
・自分が何をしようとしているのか分かるように、整理して書く。
・グラフは意味を考えながらかく。
合否の差が特に大きかった問題(正答率)
第1回 4問6 差 40.3% 地震の発生時刻
第2回 4問6 差 36.9% グラフが示す南中高度の値
第1回 4問5_S波 差 36.5% S波の速さ
第1回 4問7 差 33.2% 緊急地震速報からS波が到達するまでの時間
説明会会場の様子です。
2018年度大学受験結果(合格者数)
・国公立大…92名(H29年度94名)
東京大6名、一橋大4名、東工大6名、東京医科歯科大1名、東京外語大7名、お茶ノ水女子大10名、東京藝術大2名、東京農工大6名、東京学芸大3名、東京海洋大2名、電通大2名、首都大東京7名、横浜国立大6名、千葉大4名、筑波大4名、横浜市立大2名、北海道大2名、東北大3名、大阪大1名 等
・私立大
早稲田大59名、慶應義塾大58名、上智大48名、東京理科大62名、ICU10名、明治大101名、青山学院大33名、立教大84名、中央大36名、法政大32名、学習院大6名 等
卒業生数 220名(H29年度259名)
最後に、学校説明会(詳細はこちら)は第1回が5月19日(土)10:00〜11:30と14:00〜15:30にあります。学校説明会は予約制(第1回は予約受付中)になります。また、オープンキャンパスが7月7日(土)9:30〜15:30に行われます。
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