中学入試に役立つ学習法:理科編その12
2023-06-13
カテゴリー:中学入試に役立つ学習法:理科編
前回は炭水化物・タンパク質・脂肪の三大栄養素について書きました。今回は、五大栄養素の残りの二つであるビタミンとミネラルについて書いていきます。どちらも必要量が少量で、体の維持に関係する栄養素ですが、ビタミンは生物(動物や植物)が造った栄養素、ミネラルは自然が造った栄養素(元素)だと思ってください。
ビタミン(>>詳しくはこちら)には、ビタミンA、B、C、Dなどいろいろな種類があります。これらは炭水化物やタンパク質や脂肪に比べると、少量の摂取で済むのですが、足りないときには病気になりますから注意しましょう。ビタミンAが不足すると、夜盲症(やもうしょう、いわゆる鳥目 >>詳しくはこちら)という病気になります。人間の目には、明るいときにものを見る細胞と、暗いときにものを見る細胞の2種類があるのですが(だから、明るいところから暗いところに入ってすぐには何も見えないわけです)・・・・・この暗いところでものを見る細胞(暗視細胞)にはロドプシンという物質が含まれていて、このロドプシンがビタミンAを中心にして作られているため、ビタミンAが不足すると、暗いときにだけものが見えなくなるわけです。
ビタミンBには、B1、B2、B6、B12など色々種類があるのですが、これらを総称してビタミンB群(>>詳しくはこちら)と呼びます。特にビタミンB1は、不足すると脚気(かっけ >>詳しくはこちら)や神経炎を起こし、江戸時代以降の日本人や長期間船に乗る船員たちにこの病気が多かったため、それを研究することで最初に発見されたビタミンがこのビタミンBです。ビタミンBを多く含む食品は米ぬかや新鮮な野菜などですから、白米を食べるようになった江戸時代以降の日本や新鮮な食物を食べられない船員たちに脚気に罹った人が多かったのは、うなずけますね。
ビタミンC(>>詳しくはこちら)は、不足すると壊血病(かいけつびょう >>詳しくはこちら)という病気に罹ります。ビタミンCは水溶性ビタミンであるため、レモンやグレープフルーツなどの柑橘系果実やベリー類(ストロベリー、ブラックベリー、ブルーベリーなど >>詳しくはこちら)をたくさん食べたとしても、必要以上のビタミンCは尿として対外に排出されます。
ビタミンD(>>詳しくはこちら)が不足すると、くる病(>>詳しくはこちら)という、骨が曲がってしまう病気に罹ります。骨の発達にはカルシウム、リンなどが必要なのですが、これらを骨に吸収するためにビタミンDが必要になります。ところが、ビタミンDは人間が日光(紫外線)に当たることで、コレステロールを材料に体内で合成できます。ですから、伸び盛りの子どもたちを太陽の下で遊ばせたり、運動させることは不可欠なのです。紫外線にあたらないようにとか、コレステロールを減らせとか、とかく目の敵にされがちなものでも、きちんと役割があるわけです。食品としては、シイタケや魚のレバーに多く含まれています。だから、幼稚園などで肝油(>>詳しくはこちら)ドロップや肝油ゼリーを配るわけです。
さてミネラルの話に移りますが、人間が生きるのに必要なミネラルの代表が食塩(塩化ナトリウム)です。食塩は塩素(Cl)とナトリウム(Na)からできていますが、このように、人間が体を維持するのに必要な元素(必須ミネラル)が16種類あり、このような成分を多く含む水のことをミネラルウォーターと呼ぶわけです。このミネラルには、赤血球に含まれるヘモグロビンの元になる鉄(Fe)、歯や骨の成分となるカルシウムやマグネシウム、他にも亜鉛(Zn)やヨウ素(I)やカリウム(K)などが含まれ、それぞれが体を維持するために大切なはたらきをしています。