塾対象説明会レポート:鴎友学園女子中学校
2019-05-23
カテゴリー:塾対象説明会レポート2019
鴎友学園女子中学校は、世田谷区宮坂にある女子の完全中高一貫校です。1935年に創設され、今年で84年になります。最寄駅は、小田急線の経堂駅または、世田谷線の宮の坂駅になります。
鴎友学園では創立以来、キリスト教の精神を基盤に「慈愛(あい)と誠実(まこと)と創造(そうぞう)」を校訓として心の教育を行っています。神から社会の中で生きる私たちに与えられた「慈愛(あい)」で他人を思いやり、自分を大切にする心を育んでいきます。また、神から与えられた可能性を一人ひとりが発見し、その可能性を「誠実(まこと)」に伸ばし、社会の中で発揮して「創造(そうぞう)」的に生きることができるような人物を育てていきます。鴎友学園では学力の充実とともに、社会性の獲得を学校の大切な役割と考えています。
鴎友学園の正門です。
中学入試について
第1回入試
・出願者数、受験者数ともに4年連続増加、同時出願者も300人を超えた
・合格者数は昨年度並み。
・入学率が初めて8割を切った。
第2回入試
・出願者数、受験者数はそれぞれ100名以上増加
・受験者数が初めて400名を超えた(昨年度は初めて300名を超えた)
・御三家合格発表後の出願が増えたため、合格者数を増やした
・入学者数は昨年度とほぼ同じ
・再チャレンジ率が上昇(87.6%→91.4%)
・再チャレンジ受験生の合格率は受験者数の増加により減少(16.4%→13.9%)
・再チャレンジ受験生の入学率は上昇(92.8%→96.4%)
鴎友学園女子中学校の理科・社会の入試問題は、カラー印刷になっています。また、国語の入試問題は記述式で、字数制限のない問題もありますので、実物の入試問題で練習する必要があります(1行の字数の目安は、25字から30字です)。鴎友学園のホームページに最近3年分の入試問題(入試問題はこちら)がありますので、こちらを利用すると良いでしょう。
2019年度大学入試の結果は国公立大学への進学率が19.8%、難関私立大(早慶上理ICU)44.7%と国公立大学と難関私立大を合わせると約65%と過半数の生徒が進学しています。また、幅広い進路選択が可能で、芸術系に進学する生徒もいます。
ちなみに、エクセレントゼミナールの生徒の鴎友学園女子中学校の累計合格実績は100%(3名受験3名合格)です。
藤の花がきれいに咲いていました。
2019年度中学入試結果
・応募者数
第1回 515名(2018年度 486名)
第2回 642名(2018年度 509名)
・受験者数
第1回 499名(2018年度 469名)
第2回 427名(2018年度 312名)
・合格者数
第1回 227名(2018年度 231名)
第2回 109名(2018年度 98名)
・入学率(入学者数÷合格者数)
第1回 78.0%(2018年度 82.3%)
第2回 56.0%(2018年度 65.3%)
・合格最低点(400点満点)
第1回 247点(2018年度 236点)
第2回 275点(2018年度 267点)
・入学者数
238名(2018年度 254名)
各科目
国語
・入試問題の構成
1.文学的文章
物語の設定を確認する問題
表現や心情を読み取る問題
物語のテーマに関する問題
2.説明的文章
話題に関連した問題
テーマに関わる問題
筆者の考えや問題提起を問う問題
3.漢字の書き取り
教育漢字より5題
入試で見たい力
受信する力
まとまった文章を読み、情報の整理をしたり、相手のメッセージを読み取ったりする力
発信する力
理解したものを再構成し、自分で表現する力
文章読解力
記述力、語彙力
・採点方法
「要素」「加点」方式
要素としている事柄が入っていれば加点していく。
部分点あり。
・大問ごとの設問構成
話の流れに沿って本文を読み解くヒント
場面展開や心情の変化を追う
筆者の論の展開を追う
設問は、展開・変化をつかむヒントになる。
・記述問題の学習法①
=国語の基本的な勉強法
「文章」に慣れる
色々なジャンルの本を読む。
※時代・場所・世代が違う作品
その内容を誰かに説明する。
場面ごとの「構成」を図式化する。
「図式化」したものを文章化する。
全体の「あらすじ」「要点」を五十字〜百字程度でまとめる。
受信力・発信力・語意力 がつく
・記述問題の学習法②受信する力
=「練習」が必要
解くときは
解答は本文の中の表現から根拠を探しながら作る。
自分の解答を声に出して読む。
(一回で読める文章にすることをめざす。)
解き終えたら
過去問を解き、入試対策資料集を見ながら要素ごとの採点をする。
正解の文章と照らし合わせる。解答例を書き写す。
・漢字の書き取り
小学校で学習する範囲の漢字
語(漢字)の意味を理解していれば書けるもの
四字熟語などの知識問題
送りがなを含めた形式も出題
丁寧に書かれているか
・国語力とは「論理的読解力」
基礎 文章を正しく読み取ることが学習の基礎になる。(=受信・情報の整理)
まとめ 幅広い分野の知識があって、はじめて文章が読み取れる。
基本は国語力(論理力)
合否の差が特に大きかった問題(漢字の書き取り)(正答率)
第1回 三 (2) 差 24.2% 「破格」
第2回 三 (1) 差 14.9% 「暖冬」
算数
・問題の構成
計算問題(2018年度から)
代数の定番(人数、お金、個数など)
速さと時間
図形 平面図形(角度、線分の長さ、面積)、立体図形(表面積、体積)、点の移動
場合の数、演算記号、数の規則性
グラフの読み取り、グラフの利用
・各ページの空欄
受験生が日頃学習しているときに書いている
・線分図
・表
・樹形図 など
が残っていれば、読み取る。図の中に書き込んであっても読み取る。
「解答欄に答えのみ、あとは白紙」という解答では読み取ることができない。
2020年度について
・出題形式(途中の記述)は例年通り
・鴎友の定番 特に比と割合 平行四辺形 速さ
・読解力と分析力
・最後まであきらめない
合否の差が特に大きかった問題(正答率)
第1回 6(2) 差 50.7% ポンプ(比)
第1回 6(1) 差 44.2% ポンプ(比)
第2回 3 差 44.0% 仕入れ値(比)
第2回 7(2) 差 41.9% 速さ(グラフ)
社会
出題コンセプトと求める解答
・基礎知識を問う問題
これまでの学習量を測る
・与えられた情報に自分の知識を組み合わせて答える問題
学習の深まりを測る
↓
・要素が不足することなく入った解答
・題意に沿った解答
社会学習におけるポイント
①基礎・基本を大切にする
・作図・読図 手を動かす作業に慣れる
・歴史事項の把握 いつ、どこで、誰が、何を? 出来事の順番・因果関係
・日本国憲法 基本的な条文をおさえる
・基本用語 自分の言葉で説明できるか?
②問題文を正確に読み取り、的確に答える
写真、グラフ・史料など資料に触れる
→ 初見の資料でもあわてずに対応
漢字について
小学校で学習する常用漢字・教科書で漢字で記載されている都道府県名・人物名・時代名は漢字で書いてください。ひらがな・誤字は減点します。
2020年度に向けて
「基礎を確実に固める」
<記述問題に答えるときの注意事項>
・問われていることに対応しているか?
・主語と述語が結びついているか?
・誤字や文法的におかしな表現はないか?
〜鴎友の社会科入試のキーワード〜
平和・戦争 人権 環境 女性
合否の差が特に大きかった問題(正答率)
第2回 2問11(1) 差 24.7% 冷戦下で南北に分断された国
第2回 3問4(2) 差 23.2% 知る権利
第2回 1問5(1) 差 21.0% 地形図の読み取り
第1回 1問7 差 20.5% サマータイムの導入理由
理科
鴎友学園の理科が受験生に求めるもの
・基本的な知識を使う力
・情報を整理する力
・考えたことを表現する力
記述について
・記述問題の意図 多くの情報を整理して、考えたことを発信する力を見たい
単なる知識問題だという思い込みで説明文を読み飛ばしてしまう
問題文に書いていない条件を想像で入れていしまう
↓
・問題文から情報を正しく読み取る
・要点を簡潔に答える
グラフ攻略法
・直線部分はグラフを延長
・対策講座では、「理科のグラフは関係性を見出すためにかく」ということを説明した
解答の書き方
・文字は丁寧に、読みやすく。
・式は分かりやすく。なぜその答えなのか、過程を見たい。
・記述では要点を簡潔に。解答欄の大きさにも注目。
誤字の採点について
・漢字指定の場合…×
・記述問題の場合
理科の用語…減点するが×にはしない(○太陽→△大陽)
理科の用語ではない…減点しない
学習する際に心がけて欲しいこと
・基本的な知識をしっかり身につける。
・問題文を丁寧に読む習慣をつける。
・自分が何をしようとしているのか分かるように、整理して書く。
・グラフは意味を考えながらかく。
合否の差が特に大きかった問題(正答率)
第2回 4問4 差 33.1% 運動時と安静時の血液量の割合
第2回 4問5_運動時B 差 31.6% 器官Bの運動時の血液供給量
第1回 2問6A 差 31.6% 花火の音を聞く周期
第2回 1問5 差 28.8% 同じ噴火によって堆積した地層
2019年度大学入試結果
・国公立大 73名(2018年度92名)
東京大3名、一橋大10名、東工大5名、京都大3名、東京外語大4名、お茶の水女子大5名、東京藝術大1名、東京農工大6名、東京学芸大2名、電通大1名、首都大東京5名、筑波大3名、千葉大5名、横浜国立大2名、横浜市立大2名、北海道大5名、東北大2名、大阪大1名 等
・私立大
早稲田大81名、慶應義塾大54名、上智大40名、東京理科大39名、ICU13名、明治大136名、青山学院大51名、立教大95名、中央大51名、法政大38名、学習院大7名 等
卒業生数 237名(2018年度220名)
鴎友学園のグラウンドです。
最後に、次回の学校説明会(詳細はこちら)は6月14日(金)10:00〜11:30となっております。学校説明会は予約制(6月14日の回は予約受付中)になります。また、オープンキャンパスが7月6日(土)9:30〜15:30に行われます。
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